印象に残るハードヒッター3

80年代半ばに活躍したライトウェイト、ジミー・ポールにフォーカスします。
名選手という一般的な評価はないので、当時からリアルタイムでボクシングファンをやっていないとわからないかも。


エマニュエル・スチュアート率いるクロンクジム所属で、当時同門だったのがトミー・ハーンズやミルトン・マックロリーですが、ポールが彼らの影に隠れていたわけではないです。
長身で恵まれたリーチを生かした戦い方(ロビンソンスタイルの発展型)が主流のクロンク一門の中ではやや異端なファイトスタイルだったため印象に残ってます。
公表データでは身長175cm、リーチ183cmですからライト級としてはサイズに恵まれている方ですが、それを生かした戦い方ではなかったからです。
有名どころで似たタイプとしてはコンスタンチン・チューかな。
チューほど極端ではないですが、ストレートは空手の突きのような打撃フォームで特徴的。
体幹の強さを強烈に感じるパンチャーで、ズシッと重そうなパンチで相手を怯ませてました。
そしてポールのベストパンチは左フック。
左肩で打つイメージなのですが、ウェイトの乗ったそれでいてコンパクトに振りぬく感じで当て勘もそこそこありますね。

IBFライト級タイトルの防衛戦、ロビン・ブレイク戦を貼っておきます。
ロビン・ブレイクも長身のサウスポーで良い選手でしたが、ポールの強打の前に成す術なし。
ポールの左フックが炸裂してますが、 ベストパンチを当てるまでの過程が実は見事で、特にジャブでブレイクにプレッシャーを掛け続けたことがプラン遂行の決め手だったように思います。
ただ前に出るのではなくジャブで相手を後退させるイメージですね。
ボクサータイプはファイターにこれをやられると脆いですよね。
ですからファイターもジャブを戦略的に使うべきだし、この試合のポールは良い見本ですね。

それとホワイトホープ、ロビン・ブレイクのその後のキャリアをチェックする限り、ポール戦で壊れたかなという気がします。14Rまでポールの強打に耐え続けましたからね。
今なら中盤でストップの内容でしょう。

ただポールもその後のキャリアは華々しいものではなく、ブレイク戦がキャリアのハイライトだったのかなという気がします。
そう思わせるほどこの試合のポールは素晴らしいです。


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