石田順裕 vs ジェームス・カークランド and ポール・ウィリアムス

<ミドル級8回戦 米国 ラスベガス><S.ウェルター級12回戦 米国 テキサス>

石田順裕の直近の試合2試合を通し観したので感想などを。
石田はこのクラスとしてはサイズに恵まれていて、身長186cm、リーチ183cmですから大柄なミドルウェイトと言えると思います。
自身の体格的な特徴を生かしたボクシングをしていて、つまりストレートパンチに徹することの有効性を証明してくれています。


ストレートパンチャーとはいえアウトボクシングではなく前に出るタイプなのですが、ストレートパンチ主体でコンビネーションを組み立てているのがよい結果を生んでいると思います。
カークランドとウィリアムスは共に体力に任せて手数をまとめてくるファイタータイプ。
二人ともラッシングパワーに自信を持ち、前に出てきますから石田が逃げずに迎え撃てば彼のストレートが当たるんです。
カークランド戦は相手のルーズなディフェンス(攻撃することしか考えていないボクシング)のおかげで石田のストレートがカウンターでヒットして、衝撃の1RKO勝利になりました。
石田はストレートに徹しているからこそなのでしょうが、正面衝突の打ち合いの最中に顔が相手から逃げていないんです。懐が深いため相手のパンチも初動からコンタクトポイントまで予測可能な状態で打ち合っているのがわかります。ですから恐さが薄まり、体が逃げずにカウンターのタイミングを見つけることができるんではないでしょうか。
ウィリアムス戦も結果は大差の判定負けですが、極端なワンサイドではなかったです。
ただ体格差はなくとも体力差がかなりあり、手数で圧倒されたためにワンサイドスコアになっただけでしょう。
ウィリアムスの体力は尋常ではないのであの戦い方で勝つのは難しかったと思います。
ただ十分やれていたのも事実。
ストレートパンチの有効性それに徹する強みを改めて教えてくれたことで僕にとってはなかなか見ごたえがある2試合でした。