印象に残るワンパンチ3

<1980/8/2 トーマス・ハーンズ vs ピピノ・クエバス / ジョー・ルイスアリーナ >

この試合はハーンズのベストバウトです。僕にとって。
ワンパンチフィニッシャーというのは決めパンチがありますが、ハーンズの決めパンチはオーバーハンドライト。


ストレートというよりはフックですね。腕を湾曲させてますから。
このオーバーハンドライトの威力、特にキレという点ではハーンズは僕の知るボクサーの中ではナンバーワンだと思います。
ハーンズのオフェンスというのは、ある意味ワンパターンで型に嵌った、相手にとっては読みやすいものだったのかもしれませんが、あのスピードと距離の長さ(長身、馬鹿長いリーチによる)でそんなデメリットを感じさせはしませんでした。
ハーンズが初めてメジャータイトルを獲得したクエバス戦の2R、得意のオーバーハンドライトが炸裂し試合を終わらせています。
フォローの右も入れてますが、実質最初のパンチでクエバスの意識を飛ばしていますね。
警戒されていても、確実に得意のパンチを叩き込む。
現代のトップレベルのボクシングの試合においては漫画チックでやや現実離れしていることかもしれませんが、ロマンがありますよね。
クエバス戦のハーンズを見ているとそう思いますし、こんな印象に残るシーンを見るためにボクシングファンをやっているとも言えるんですよね。