エイドリアン・ブローナー vs ビセンテ・エスコベド

<WBOS・フェザー級タイトルマッチ エイドリアン・ブローナー vs ビセンテエスコベド/米国シンシナティ

WOWOWのレギュラー放送で観戦。
フロイド・メイウェザーJrのスタイルをコピーしたようなブローナーですが、単純にフォームが似ているだけですね。
勘の良い黒人選手が真似やすいフォームなのかも。
出入りのフットワークをほとんど使わず、スタンス広めで半身で構えて左手と肩を盾がわりにして自分を守り、軸足を左右スムーズに移行しながらシフトウェイトし攻守を連動させるから無駄な動きはほとんどありません。
相手にとっては打ち終わりを狙われますからやっかいなスタイルなのかもしれません。
また、相手のオフェンス姿勢を感じた時にはガードをしっかり固めることでリスクマネジメントをしています。


メイウェザーのスタイルをパクれるくらいですからブローナーは俊敏ですし、パンチもありそうですし逸材なんでしょうが、タイトルマッチでウェイトを作れないのでは評価に値しないボクサーとなってしまいます。
ボクシングの興行は沢山の人間が関係した所謂みんなで作り上げるイベントなわけで、確かにボクサーが絶対的な主役ではありますが、試合を計画し実行するために多くの人が関わっているのです。
ウェイトを作るというのは大前提どころか、それなくしては興行が成り立たないくらいのことであり、そんなことはボクシングにそれほど関心のない一般の人ですら知っています。
ブローナーは地元でランキング1位の相手に完勝しましたが、評価はガダ落ちです。
テレビの画面に映るブローナーは減量で苦しんだようにはとても見えず、また登場シーンから勝ち名乗りを受けるときまで悪びれた様子もまったくなく、いったいどんな神経しているのか呆れてしまいます。
まあ、こういうヤツだからこそウェイトが作れないんでしょうけどね。責任感とかないんでしょう。
健康の問題もあるので、過酷な減量を肯定するわけではないですが、プロボクシングはウェイトの同じ者同士、イコールコンディションで戦うことに意味があるのでブローナーのようなアナーキーな人間は職業を変えるべきでは。
ただ、ボクシング界というのはライジングスター(ホープ、人気選手)に甘い体質があるような気がします。
「憎まれっ子世に憚る」を地でいきそうな世界ですからね。
ファンが厳しい目でボクサーを見ていかなければいけませんね。
ブローナーを厳しく叱れる身近な人間がいることを願います。
でなければ、番狂わせでアンダードッグに敗戦でもすればいい薬になるかも。