チャベスJrは番狂わせを起こせるか?

今週末、ボクシングファン注目のチャベスJrvsマルティネスが行われます。
そろそろ予想記事も出揃った頃でしょうが、常識的にはマルティネス勝利と見られているようです。
チャベスJrに勝機はあるのでしょうか?
マルティネスはリング誌のレイティングでP4Pは4位、ミドル級はチャンピオン認定です。
一方のチャベスJrはP4Pではランキングされず、ミドル級3位という評価です。
マルティネスは97年プロ入りし53戦のキャリアを持つ37歳のサウスポーで2009年からは年2試合のスケジュールでリングに上がっています。
チャベスJrは2003年プロ入りし48戦のキャリアを持つ26歳で、試合スケージュールは若いせいもありランダムに組まれています。


体格的には身長178cm、リーチ191cmのマルティネスに対してチャベスは身長183cm、リーチ185cmと体格的にはややチャベスが大柄です。
マルティネスが最後に負けたのは2009年12月のポール・ウィリアムス戦ですが、どっちが勝ったかは見る人によって判断が分かれるようなクロスファイトでした。僕はウィリアムス勝利支持でしたけどね。
その前の敗戦は2000年2月のアントニオ・マルガリート戦ですが、この試合は完敗でした。
マルティネスの黒星はこれだけです。
マルティネスはスピードのあるサウスポーでちょっと掴み所のない変幻自在なスタイルを持っています。
ディフェンスが上手いなという印象はないのですが、とにかくちょこまかと良く動くので捉えにくさはあります。
戦略的に攻防のモードの切替えを行うため、短いインターバルで攻守がランダムなタイミングで変わり相手は不意を衝かれる格好で攻め落とされることがあります。
このマルティネスの読みにくい攻勢をチャベスは受け流すことができるのか?
これが第一のポイント。
ちなみにウィリアムズもパブリックも対応できずに敗戦しました。
次にチャベスJrの追い足の速さがマルティネスの変幻自在のフットワークを凌駕できるのか?
これが第二のポイント。
デュランvsレナード第1戦をケーススタディにすればチャベスの可能性が見えてくるような気がします。
マルティネスはボクサータイプではありますが、ラッシュしてくる相手をを捌くタイプではないです。
インファイトの土俵に絶対に上がってこないわけではないのです。
できるだけ早い段階でチャベスはマルティネスのフットワークを凌ぐ追い足を見せて一発決めることです。
それにより下がったらペースを取られるなと思わせることができれば、インファイトに持ち込むシチュエーションが生まれる可能性があります。
打ち合わなければチャべスJrに勝機はないと思いますから。

最近の試合におけるチャベスJrはフィジカルが劇的に向上し打たれ強さを示せるようになっています。
ただ自身のタフネスに変な自信を持ってほしくないです。
今までの相手とマルティネスはレベルが全然違いますからね。
要所でカウンターを貰っているうちにダメージを溜め込み、戦力を削ぎ落とされて最後は仕留められるという多くの人が描くマルティネス勝利のシナリオが実現してしまってはね、面白くないですよ。
あまりにも当たり前すぎて。

パワーで押し切ろうとせず、スピード重視でいきたいですね。意識としてね。
マルティネスに「こいつ予想以上に速い」と思わせることができれば、面白い試合になるかもね。
チャベスの潜在能力が開花することを期待申し上げます。