70年代のヘビー級は面白かった1

<ヘビー級10回戦 ロン・ライル vs.アーニー・シェーバース 13/09/1975 米国コロラド州デンバー


現在のヘビー級はクリチコ兄弟がトップに君臨していてその状況がしばらく変わっていません。
ワクワクさせられるマッチメークは期待できない状態で、魅力的なコンテンダーも直ぐに浮かんでこない。
別にウラジミール・クリチコに非があるわけではないですが、彼の試合が面白いかと問われれば素直に「イエス」と答えられないのは確か。


ヘビー級の面白さはやはりスリルと迫力。
残念ながら今のクリチコ兄弟の試合からは感じることができない。2mの大男が堅実に試合しているとこうもつまらないのかと逆に感心してしまうほどです。
今と似たような状況は80年代前半にもありました。
ラリー・ホームズがトップに君臨していた時代です。
ライバル不在、タレント不在の空白期間みたいなものです。
結局ホームズが退くまで停滞期間が続いていたように思います。

ホームズがケン・ノートンに勝ってタイトルを獲得したのが78年。
アリの2次政権が終わり、ホームズが台頭したタイミングですが、この70年代の中盤の時期には面白いタレントがいっぱい居たんですよね。
ケン・ノートン、ジェリー・クォーリー、アーニー・シェーバース、ロン・ライル、オスカー・ボナベナ、ジョー・バグナー、バスター・マシスなどのコンテンダーがアリ、フォアマン、フレージャーに絡む試合はどれもエンタメ性に富んで単純に面白かったように思います。
オッサンの懐古趣味を自覚していますが、印象の強い70年代ヘビー級マッチアップを取り上げていきたいと思います。

先ずは『ロン・ライルvs.アーニー・シェーバース』
一発屋、破格の強打者シェーバースとボクサータイプのライルの試合。
スタイルの対照的な者同士がガッチリ噛み合った試合をすると面白くなるのは当然と言えば当然。
ふたりともメジャータイトルには手が届きませんでしたが、個性的で魅力的な脇役として存在感を際立たせていました。
当時の主役アリやフレージャーのように歴史に名を刻むことはできませんでしたが、彼らなくしては主役は輝かなかったわけですから。
倒し倒されの激闘、これぞヘビー級という判り易さがたまりません。
貼ってある動画はサイレントです。
それでも僕は楽しめましたが。