印象に残るハードヒッター8

WBAウェルター級タイトルマッチ ピピノ・クエバス vs.辻本 章次 /1976-10-27>

圧倒的なパンチングパワーでスキルの差をカバーしてしまうボクサーとしてすぐ思い浮かぶのがピピノ・クエバスです。
辻本戦は子供の頃テレビ観戦した記憶があります。


辻本はアマチュアエリートで鳴らしたサウスポーのテクニシャン。
倒されるラウンドまでは上手くクエバスを捌いていました。
クエバスのオフェンスはいかにも単調。ジャブを打たずに左右のフック、アッパーを振り回すだけ。
ただスピードが結構あるのとパンチの軌道が独特で、特にロングのアッパーはボディと顔面両方コンタクトする厄介なアングルで放たれる感じ。
辻本は上手く出入りしクエバスの大きなパンチを避けていたのですが、ノンストップアタックを捌ききれなくなって結局被弾、ダメージを負って終わってしまいます。
下手くそなんですよ。クエバスは。素人目にもね。
でも強さは感じるんです。
だってハードパンチャーだから。
ある意味クエバスにはこの戦い方しかなかったのかもしれません。
勝つために自身の強み(ハードヒッターであること、スタミナがあること)を生かす戦術を徹底しているに過ぎない。

ボクサーはディフェンスで必ずミスを犯す。あるいはディフェンスルーティンを読めれば隙を見つけることは可能。
ハードヒッターの強みは序盤でポイントを失っても自分のパンチを当てる筋道さえ見極めることができれば最後には勝利者コールをアナウンスしてもらえるということです。
単純明快な問題解決手段を持っているわけですから。

まだドネア完敗の残念感を引き摺っているかな。やっぱり一発決めて欲しかったからね。

http://boxrec.com/list_bouts.php?human_id=2224&cat=boxer

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