ロイ・ジョーンズJr vs.ホルヘ・カストロ

<ミドル級10回戦 ロイ・ジョーンズJr vs.ホルヘ・カストロ/1992-6-30/米国フロリダ>


若き日のロイ・ジョーンズJrの試合を観たかったのではなくホルヘ・カストロにフォーカスして観戦しました。初見ですね。
Jrミドルからクルーザーウェイトまで144戦も戦ったカストロは、竹原慎二にミドル級タイトルを奪われたボクサーとして日本人には馴染み深いですが、強いのかそうでないのか実力判断ができないボクサーの代表なんです。僕にとって。
まあでもユニークですよね。スタイルもキャリアも。
こういう風変わりなタレントは結構重宝されてマッチメークには恵まれるんですよね。
マッチメーカーにとっては、パンチはあるけどよく打たれもする派手な試合ぶりで客受けするところを買うのでしょうか。


当時ホープのロイ・ジョーンズJrの18戦目の対戦相手に選ばれた理由もなんとなくわかります。
この試合の4試合前にテリー・ノリスのJrミドル級タイトルに挑戦して敗れているのですが、まだミドル級の体ができていないようでこの試合のウェイトは156ポンドちょい。まあ多分声が掛かれば相手が誰であろうと試合間隔が短かろうと気にせずリングに上がっていたのでしょう。
このロイ・ジョーンズJr戦のあとミドル級でメジャータイトルを獲得するまでのわずか2年間の間に24戦(全勝)もこなしているのだから驚きます。試合は全てアルゼンチン国内ですけどね。

試合はジョーンズのワンサイド判定勝利<98-92><100-91><99-91>なのですが、カストロ意外とスピードがありますね。
竹原戦のスローでどんくさいイメージとはちょっと違います。
まあ戦術的には左右のフックを相打ち狙いで振り回すだけですから当然ジョーンズには当たりませんけど。
サンドバックのように打たれているのですが、頑丈なのか上手くパンチを殺しているのか、あんまりダメージを感じない。
で、左右のフックを振り回して反撃してくるから、なんともわかりやすいファイターですわ。
打たせるだけ打たせておいて相手のディフェンスがラフになったところを逃さず強打を捻じ込んでしまうのでしょうね、並みのボクサー相手の時は。
ジョーンズのデビューから続いていた連続KO勝利を17試合でストップさせたカストロのタフネスが印象に残った試合でした。

http://boxrec.com/list_bouts.php?human_id=762&cat=boxer