アンドレ・ベルト vs.ヘスス・ソト・カラス

Date: 2013-07-27

Where: AT&T Center, San Antonio, Texas, USA

Division: welterweight (147 lbs, 66.7 kg)

Title: vacant NABF welterweight title

Andre Berto (28-2-0, 22 KOs)
   vs
Jesus Soto Karass (27-8-3, 17 KOs)

スリリングな打撃戦は、やや優勢に試合を運んでいたソト・カラスの左フックカウンターが決まってベルトがダウンしたところで決着しました。
面白さという意味で今年観た試合の中ではベストかな。

アンドレ・ベルトはバージル・ハンターに師事していったい何が変わったのでしょう?
今のベルトはかつてのアーツロ・ガッティのような激闘型ファイターになってしまっています。
客受けはするでしょうが、打たれ過ぎで観るに耐えません。
アマチュアエリート出身とは思えないほど攻防のバランスを崩したファイトスタイルで、自分を守る気あるんですかというくらい無造作に相手のオフェンスに晒されています。
決して12Rの左フック一発が全てを決めたわけではなく、ソト・カラスのパンチを浴び続けてダメージを蓄積していたこともダウンに結びついていたと思います。
ベルトのジャブをヘッドスリップで空かして間髪を入れずに上体の反動を利してコンパクトな左をガチンと当てたソト・カラスも見事でしたが。
ただジャブを外された後に左フックを持っていくセンスには首を傾げますけどね。
そりゃカウンター食うだろうに。

ビクター・オルティス、ロバート・ゲレーロ、そして今回のソト・カラスと激闘の末の敗戦が続きベルトのメンタル、フィジカル両面でのダメージが心配です。
おそらく再起するでしょうけど、防御勘の悪さとリスクマネジメント意識の希薄さはちょっと致命的なレベルですから、トップレベルでのファイトではまた同じ鉄を踏む可能性が高いのではないでしょうか。
それとメイウェザースタイルをやるならボディワークがないとただの「的」ですから。
ノーモーションの右カウンターを狙えること意外になんのメリットもないと思います。ベルトにとって。