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ファン・マヌエル・マルケス vs.マイク・アルバラード

BOXING FIGHT REVIEWS

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Date: 2014-05-17

Where: Forum, Inglewood, California, USA

Division: welterweight (147 lbs, 66.7 kg)

Title: vacant WBO International welterweight title

Juan Manuel Marquez 55-7-1 (40KO)

 vs

Mike Alvarado 32-2-0(23KO)

Result: Juan Manuel Marquez def. Mike Alvarado (unanimous decision, 119-108, 117-109, 117-109)

 

10年以上に渡ってトップレベルで戦い続けるマルケスの試合を観ていて最も感心するのは、彼のスタイルが変わっていないということ。

フェザーウェイト〜ウェルターウェイトとクラスを上げながら、当然その間に挫折を経験し、加齢による反射神経の衰えや肉体的精神的ダメージの蓄積もあるであろうはずなのに。

節制の賜物なのでしょうが、コンディショニングのメソッドにもポイントがありそうですね。

それと人並みはずれた自己顕示欲(笑)

歴史に名を残すボクサーに共通した資質です。

ボクシングは競争心が問われる個人競技の最たるものですからね。

アンチエージング的な要素を抜きにして分析してみても、

マルケスのスタイルが変わっていないのは、それしかできないということではなく、

多くの対戦相手に対してアドバンテージを得られる、つまり『Conpetitive』なスタイルであることに確固たる自信を持っているからなのかもしれません。

勿論通用しない相手もいて、メイウェザーやブラッドリーのような自身と同型のカウンターパンチャーでかつ自身を凌駕するスピード(反射神経)と戦術の多彩さがある相手がそれです。

ボクシングは相対的な競技ですから似たような資質(スタイル)を持つ同士ならよりより能力がある方がアドバンテージを得るわけですから。

マルケスのスタイルに嵌る多くのボクサー(パッキャオも含めて)は彼のスタイルに屈しているのではないかなと、アルバラード戦を観ていて感じました。

何故、アルバラードがこれほどディフェンシブに戦ったのか?

いつも以上にガードを固めて、自分から手を出さずにマルケスの打ち終わりばかりを狙う戦略にしたのか?

明らかに打ち合いを避けていましたよね。

でも結局はマルケスのカウンターの餌食になっていました。

パンチが一番当たりやすい状況(タイミング)は相手が手を出した時です。

ガード(盾)が一瞬外れますし、踏み込んでパンチを出すことで相手のオフェンスエリアに侵入するわけですから。

この絶好のタイミングをディフェンスに追われて逸するか、それとも機会を逃さずオフェンスを発動し有効打を当てられるかが運命の分かれ道。

つまり優劣、勝負をわけるポイントなのですが、それを解りやすく示してくれるのがマルケスなんです。

単純にカウンターのことを言っているのではありません。

ディフェンススキルのことを言いたいのです。

マルケスのディフェンスはブロッキング主体です。

アルバラードもそうです。

両者の違いは相手のパンチへの反応と連動性です。

マルケスはガードを固めつつ上半身も効果的に動かしてスリップやスウェーでパンチを避ける動作が加わります。

しかもそれは反動で次のオフェンスに連動出来るよう必要最小限の動きにとどめる。

つまり複合的なディフェンスをしているんです。常に。

ダウンこそすれ決定的なダメージを負わないのはそれがあるから。

この複合ディフェンスが威力を発揮するは打ち合いのときです。

単純ディフェンス(ブロッキングだけ)のアルバラードの場合相手のパンチを避けるので精一杯でオフェンスへの切替がスムーズじゃない。

複合ディフェンスのマルケスと単純ディフェンスのアルバラードが打ち合うと有効打をより当てるのはマルケスの方であるのは明らか。

アルバラードはこの点を理解していたからこそこの試合で極力ディフェンスが破綻しないような戦略をとったのでしょう。

オフェンス切替スイッチの有る無しが優れたディフェンスか否かを決める。

マルケスにはあり、アルバラードにはない。

そしてアルバラードのようなボクサーはマルケスのスタイルに抗することができない。

打ち合うとあり地獄に落ちるようなものですから。

「打たせずに打つ」はボクシングの本質ですが、

表現を変えて、

「打たせないことで打ち勝つ」とした方がよりマルケスのボクシングを如実に表せるのではないでしょうか。

 

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