ランセス・バルテレミー vs.アルヘニス・メンデス


Date: 2014-01-03
Where: Target Center, Minneapolis, Minnesota, USA
Division: super featherweight (130 lbs, 59.0 kg)
Title: IBF super featherweight title
Rances Barthelemy (19-0-0, 12 KOs)
  vs
Argenis Mendez (21-2-1, 11 KOs)
Result: Rances Barthelemy def. Argenis Mendez (KO at 2:59, round 2)


英語の実況ではバーセレミーと発音しているように聞こえますが、
とりあえずバルテレミーと表記しておきます。
下馬評ではメンデス有利でしたが、試合はバルテレミーの圧勝。
キューバ出身、長身痩躯のバルテレミーの左フックがメンデスのガードの間を割って
決まったところでほぼ勝負あり。
ストレート軌道の左フックは予測できないのでしょうか、
見た目以上に効いてしまうケースがあります。
バルテレミーはパンチがそれほどでもないディエゴ・コラレスという感じ。
本来ボクサータイプなんでしょうが好戦的でぐいぐい来ますね。
この試合は打ち合いになる前に終わっちゃいますけどね。
試合の経過と共にディフェンスがルーズになっていくタイプかな。
ブロッキング主体のディフェンスルーティンですが、ボディワークもあります。
スピードもそこそこですが、反射神経が鋭い印象はない。
クロスファイトだった前々戦のアラシュ・ウズマニーとの試合を観ましたが、
コラレスばりの激闘やってます。
ラストラウンドはグロッギーで、相手にもっとパンチをまとめられていたら
ストップされてもおかしくなかった。
ホームタウンデジションで辛くも判定勝ちしましたが評価は下落。
キューバ出身で無敗でメジャータイトルを獲ったからといって、
過大評価してはいけない。
ユルオルキス・ガンボアやギジェルモ・リゴンドウと比べると
実力的に2段階レベルが落ちるのでは。
同じ階級の内山や三浦の方がパンチはあるんじゃないかな。

バルテレミーは時々L字ガードで相手のオフェンスを受けてます。
ロングレンジでジャブの差し合いをしている時だけですが、
左手がルーズなメリットを生かしてジャブのカウンターを取れるんですね。
相手は手を上げたオンガードの状態から左ジャブを出すのに対してL字ガードは
フリッカー気味に左手を伸ばせるのでワンアクション少なくてかつ
到達距離が短いので先にジャブが当たるんです。
短身のボクサーがこれをやると右フックを被せてこられるでしょうけど。
バーセレミーのように長身でロングリーチなら案外嵌る戦術かも。
もしかしたら最初にダウンを奪う切欠になった
インサイドから当てた左フックの伏線になっていたかもしれません。
ジャブの差し合いで劣勢になったことでメンデスのガードの締めが
ややルーズになったという意味でね。

Rances Barthelemy