印象に残るワンパンチ9

ムスタファ・ハムショを倒したハグラーの右フック。


第2戦の3Rのフィニッシュブローですね。
ロングの右フックはハグラーのベストパンチだと思います。
ハーンズを倒した時も、リング中央で大きな軌道の右フックを当てて
ロープに飛ばしてから更に右をフォローしてフィニッシュしてます。
ハグラーは右利きのサウスポーですから利き腕が強いのはわかりますが、
左右のパンチの比率が極端に右に偏っている点がユニーク。
リードブローもフィニッシュブローも右という感じ。
僕の中ではハグラーはボクサータイプの認識。
フットワーカーではないですが、基本出入りのボクシングスタイルですし。
リードブローはオフェンスを組み立てるためより距離を保つためという印象が強い。
対デュラン戦などロングレンジでの攻防を明確に意図してしつこくジャブを突いて
デュランを懐に入れなかったですからね。
アイラン・バークレーがデュランに不覚をとった試合と比較すると戦略の正当性が
理解出来ますよね。
ハグラーは自分より体力のある(ラッシングパワーで勝る)ファイタータイプを捌くのが
実に上手いんです。
トニー・シブソンとかムスタファ・ハムショとかファン・ドミンゴ・ロルダンとか
まるで闘牛士が牛を仕留めるような一種の様式美すら感じます。
特に対ハムショ第2戦は攻防のバランスが絶妙。
ワンパンチフィニッシュのインパクトでこの試合を取り上げてますが、
KOまでの道筋の解りやすさ、説得力という点でも傑出したファイトだと思います。