初夏の陽気の中終日遡行をするのがキツくなってきた。
堰堤を回りながら渓を長時間歩き続けると終盤に体が重くなって動かなくなることがある。
昨年の体調不良から回復後自転車にも乗っていないしトレーニング的なことをほとんどやっていないので以前に比べて体力が大幅に落ちていることもある。
体幹トレは若い頃から欠かしていないが、持久力的なことは負荷をかけることを2年くらいやっていない。
渓を歩いていて急激に疲労感が出てくると判断力も鈍ってくるしケガや事故のリスクが高まってしまう。
例えばリールのバックラッシュを直そうとしてプラグを付けたままキャストしてそのままほったらかしでラインの絡みを直していたらプラグが流されて落ち込みの下の岩の間に挟まってしまい回収不能になったりとか。
普段ならやらないことをやってしまう。
プラグを無くす程度ならまだ良いが判断を誤って転倒落水したり崖で滑落したら大変だ。
気温が高くなってくるとウェーダーとブーツスタイルでの長時間遡行が快適でなくなる。
スズキ釣りのような藪漕ぎはないので藪を泳ぐ際の草木のスレを意識しなくてもよいし、むしろ入渓退渓時の崖の登り降り時にウェーダーだと体力を消耗するのだ。
遡行時にも岩を登るのに足の可動域がウェーダーだと狭くて登りづらいときがある。
ということで初夏に向けて装備を見直すことにした。
ブーツから沢タビへ、ウェーダーから短パンウェットスタイルに。
鮎タビ(先丸タイプ)が悪くなかったので今度は先割れタビを試してみる。
アウトソールをフェルトにするかラバーにするか迷ったが無難にフェルトで。
川の中ですってん転りんする恐怖がどうしても拭えないから。
大丈夫だろうと思って石に片足かけた瞬間に「ズルっ」といったときの焦りたるや、まあ渓流釣りしている人なら誰しもが経験しているだろうが。
苔の乗っている石は川底だけでなく頭を出しているものも時に危ないからね。
もう何度も転んで痛い思いをしているだけにだいぶ慎重にはなっているのだけどより安全にという意識はある。
ラバー底がダメと思っているわけではないが信用できずに不安を抱えて釣りするのは嫌なので。
崖降り時の不都合はあるにはあるが、リスクの大きさと頻度はすってん転りんの方が大なのだ。
リスクマネジメントの手法からしても発生頻度とダメージの大きさを測って意思決定するわけで、
リスク大かつ頻度多の川の中での行動を中心に身を守る手段として考えれば自ずと結論する。
だからフェルト底。
耐久性は低いがそれを重視するのは筋違い。
頻繁に代替えできるようコストを意識して商品を選べば良いだけのこと。
タックルで言えばラインみたいなもん。
トラブルを避けるために頻繁に替える。
その分金はかかるがルアー釣りの必要経費だ。
水中を写すと大抵失敗するがなんとか写っているカタツムリ。
川底を這っているカタツムリを初めて見た。
遡行に慣れてきたことでこういった小さな事象に気付く精神的な余裕が出てきた。
自然観察力を養うことが何よりも重要なので細かいことにもっと気を配っていきたい。
サーチレベルをこのまま上げていけばトップでの釣りも決して夢ではない。
今でもちょっとだけ可能性を感じているし。
トップに当たり前のように出せるようになるにはまだまだ自分の経験値が足りないことを自覚しているが、十分になるのを待ってもいられないのでボチボチ試し始めてみるつもりだ。
試行錯誤が僕の釣りの本質なんで。
飽きっぽいので慣れたことをし続けるのは苦手なのだ。
今はディープに傾注しているが、大して難しくはないのでそう長くはテンション続くまい。
アプローチの一つとして形になればそれで終わりで、以後ルーティン化するだけ。
最後に一番美味しいサーフェイスの釣りが待っている。
ニジマスでは経験あるのだけどね。
つまりスズキの外道でトップに何度か出ているので、トラウトも水面を割ることがあるのは知っている。
ターゲットの活性と食性の問題。
この二つをフィールドコンディションに絡めて探ることからトップの釣りは始まる。
決して「縛り」が重要なわけではない。
それは単なる自虐行為であって、否定はしたくないのだけど自分はやらない。
「拘る」のと「縛る」のは明確に違うから。
「縛る」ことで何かを会得するわけじゃないし結果が出るとも思っていない。
「縛る」というのはハンディキャップを付加するゲームをするということ。
スキルアップの手段ではない。
どちかかというとメンタルタフネスを試す修行的な要素が強いのでストレスとうまく折り合いをつけらるかどうかが重要。
スキルアップのポイントは、いろいろなアプローチを試す中でトップの強みを活かせるシチュエーションを確認すること。
スズキに関してはそれがわかっているし、わかるようになるまでのプロセスも自分の中に根付いているから渓流魚でも同じことをやってみる。
渓流魚の食性がネックになりはしないかと唯一懸念しているが。
まあ上手くいかなければそこでまた考えれば良い。
先ずはエントリー系のポッパーからかな。
きっかけを掴んで慣れてきたらペンシルに移行というイメージを持っている。
週末に釣行したホームリバー本流筋での釣果。
入渓してファーストキャストで魚が見れた。
その後チェイスやバラしばかりで苦戦するのだが。
追ってくる魚が小さいのとボチボチ他の人がこの渓に入っているようでスレが始まっているようだ。
半月前はパラダイスだったのだが。
下流部のエントリーポイントに長時間駐車しているためあっちこっち魚探しで徘徊中の県外アングラーに見られたのかも。
この支流ではイメル50Sへの反応が良い。
CD3と同等かそれ以上で、交互に使い比べるとイメル50Sの方が若干好反応な感じ。
理由はわからない。
この子もイメル50Sで。
この川ではCD3での釣果はなかった。
ディープではなかったけど48ダイブで。
チェイスしてくるのはほとんどこのサイズで、まあ別に食わなくても良い。
48ダイブはフォローベイト的な使い方もできる。
テールフックのみのイメル50Sで。
テールにスイミングフックを付けている。
腹とのダブルの場合はスプリットリングをダブルにしてスプーン用のシングルフックを付けている。
掛けにくくバレやすい渓流魚に対してフックはかなり重要なのでいろいろと試行錯誤中。
朱点の確認できない子だった。ヤマメではないと思うが。
この日のハイライト。
ついにホッテントットに出た。
大きな堰堤下のディープをグリグリと探っていたら食ってきた。
ホッテントットはきっと尺クラスを連れてくるだろうと勝手に期待していたが、
実際に連れてきたのはイチマル先輩だった。
他のアングラーが入渓してきたので別の支流に移動した。
エントリーした場所で早速CD3に。
トップをぼちぼち試しているのだが魚の反応は予想通り悪い。
マイクロポッパーをやや流れの遅い瀬で引いてみたが追いすらないのでSA50Sにチェンジすると直ぐに食ってきた。
これをどう見るかだが、
ポッパーはまったく関係なかったのか?
それとも活性上げに寄与していたのか?
この後もポッパーとSA50Sのコンビを試し続けた。
これもポッパーで探った後のSA50Aのパターンで。
ロストした48ダイブの後釜でスモルトを使っているがまったく一緒。
結構浅いところでも効果的に使えることがわかった。
瀬はさすがに無理があるが小さな落ち込みなどでは普通に使える。
レンジの問題でCD3などのシンキングミノーでは誘えないときが出番だ。
石の間を探れることが強みで、シンキングミノーで同じことはできない。
CD3は早巻きしてもピッチが早くなるだけでアクションがあまり変わらないことが長所だ。
だから追い食いさせられる。
他のプラグではチェイスして食わずに終わるパターンが多いが、CD3は魚が追ってきたらリトリーブを早めてやるとその緩急に反応して食ってくることがある。
リトリーブの緩急でアクションが変わると案外見切られがちだ。
魚が付いているピンを特定する難しさはあるが、基本的にはピンの上流側に着水させてニアミスで食わせるか、追ってこさせるかの2択になる。
上の子はニアミスで食った。
この子は追ってきて食った。
プラグについてきているとわかった瞬間巻きを早めてやったら反応した。
もちろんこのパターンがいつも成立するわけではなく別のプラグ(SA50Sとか)ではロッドワークを激しくしてダートを最後に入れることで食うときもある。
ただCD3はダートしないので緩急使うしかない。
ダートより確率よく食わせる印象だけどね。