やんちゃというかお茶目というかそんなフレームで印象に残っていたため文庫本を引っ張り出してきた次第。
手にしているのはバス用のトップウォーターロッドだが、随分昔に初めてこの写真を見た時自由なスタンスに妙にシンパシーを感じロマンチックな感情が湧いたことを憶えている。
「なるほど別に型にはまる必要はないんだ」
リールがない時代の原始的なタックルにおいては延べ竿を使っていたわけだけど、餌の付いた針をできるだけ遠くに放るためには竿が長ければ長いほど(現実的に使える範囲ではあるが)良くて、それは合理的だからというより必要不可欠な要素だからである。
現代においてはリールという便利なタックルがあり、キャストすることで仕掛けを遠くに放ることができる。
つまりリール付きということで既に遠投能力をある程度手に入れているのである。
まあ、そこから先のタックルへのリクエストは些細なことに過ぎない。
本来、釣りって自然相手の原始的な遊びだからね。
アドバンテージがアングラー側にあればあるほど興ざめしていくもの。
利便性を過度に追求することって釣りの娯楽性を損なう方向を意味するのではないか。
どこか何か不便や不都合がないとそれを克服する醍醐味がなくなってしまう。
高性能なリールがあるのだから、せめて短いロッドを合わせてアドバンテージを多少なりとも放棄するスタンスは一種のカッコつけでもある。
ショートロッドを使うのはそんな曖昧でロマンチックな感情がベースにあるからなのかもしれない。
あまりにもアングラー有利なのは格好悪いという意識、
難易度を上げる要素としてのショートロッド、
まったくもって非合理的な発想だが、僕は釣りの娯楽性をそういう部分に見出している。
普段まったく意識はしていないのだけど。
だから合理性イコール汎用性。
ヘソの曲がった価値観がスタートラインではあるが、このガイドラインを無視したタックルスタイルが 逆に嵌ってしまうこともある。
合理性をタイトルにするとハードルが上がって書きにくくなるので、今回はまあ汎用性ということで。
例えるならNBAチーム戦術のスモールラインナップ的なものか。
デカけりゃ(長けりゃ)良いということではないという発想。
スピードやハンドリングスキル、外からのシュート力を強みにして5人全員ちびっ子で揃えて一気にランを作ろうとするあれね。
アップテンポにするとどのみちビッグマンはついてこれないし、ゴール下では勝負しない前提であればリバウンドは取られてしまうにしても外からのシュート力がキーになるからガードの方がむしろ嵌るという理屈。
機動力を重視して攻撃回数を増やしシュート確率を上げていければ高さはネックにならない。
常識的に考えればバスケプレーヤーは大きいことが正義なのだが、セオリーの真逆にも真理はある。
つまり何が言いたいかというと、ショートロッドの長所を生かした発想で釣りの戦略を立ててしまえば良いだけということ。
ショートロッドの長所は操作性とアキュラシーのバランスの良さだ。
だからテクニカルな釣りに向く。
ロングロッドは違うのか?というツッコミは、NBAのビッグマンはシュート力やハンドリングスキルがあてにならないのか?と言っているのと同じで、勿論例外はあるから一般的な話をしているだけ。相対的なというか。
ロッドワークは短いロッドの方が楽だし思い通り器用にアクション付けられる。
ブッシュの下のピンポイントなどにプラグを落としたいときなども短いロッドの方が確率良く打てるだろう。
広大なオープンウォーターエリアではなくヘビーカバーエリアでのテクニカルな釣りをメインにすればショートロッドによるタックル戦術は普通に嵌るのである。
そして小柄なガードであってもスピード、身体能力を生かしてリバウンドが取れるのと同様ショートロッドでもそれなりにロングキャストはできる。
実際ショートロッドを使っていて不都合を感じることはそれほど多くない。
まあ結局スキルアップの方向性をどう考えるか。
確率よりも娯楽性をより重視(確率を無視するわけではない)するならショートロッド戦術を磨くことも選択肢としてアリだと思う。
ガイドラインに沿ったことばかりしていたら飽きる人にとってだが。
他のメリットとしては携行性の良さ(藪漕ぎ時、車載時)とか。
したがって中小規模河川のランガンスタイルには向いているのだ。
短時間釣行で移動時間をできるだけ短縮したいなら尚更都合良し。
ショートロッドのレングスをどう定義するか?
「6フィート未満」
かな。
僕が実際に使ったことがあるのは、
「5フィート4インチ〜5フィート10インチ」
だが、グリップ長によっても使用感がかなり違う。
ショートグリップにするとブランク長を稼げるのでキャスト性能は上がるが先重りする傾向でバランス的な問題が生じる。
ロッドワークし辛い感じ。
それと良型を掛けた時など寄せに手間取ったり手首が痛くなったり。
ロンググリップにするとバランスは改善されロッドワークが楽になるがキャストの飛距離が物足りなくなる。
シマノのワーシャゴーテンはどちらかというとショートグリップ。
ただカタログ値110gと軽量故先重り感は僅かだ。
例の薄っぺらいリールシートもこのロッドに関してはデメに感じないのはグリップのコルクの質が良いからか?
ツララのピメンタは明らかなロンググリップ。
そのため20g以下のプラグは投げにくかった。
ジギングロッドでシーバスミノー投げている感じかな。
先秋に常用したプラグは18g〜25gだったからあまり快適ではなかった。
もうちょいブランク長が欲しかった。
そこまでのパワーがなくても良いからより繊細で操作性が良く多少の遠投性が欲しい。
そう思ってワーシャゴーテンに代替えして正解だった。
はまるロッド候補として他にFishmanのBRIST 5.10もあったが、イメージ的にツララロッドと被ったのでパスした。
怪魚ロッドはノーサンキューだったから。
無機質でキャラが薄く用途やターゲットを特定しない数字だけで語る世界観のワールドシャウラの方により惹かれた。
実際に使ってみると期待以上のポテンシャルで、特に遠投性能に感心。
ショートグリップ故バランス的にちょい先重り、軽量でハイレベルなブランク性能によるものだろう。
組み合わせるリールはルックス的にもハマる少し重めのタイコ型(カルコンとかリョーガ)を当初考えていたがアブのレボを試してみることにした。
堅牢なハウジング、ハイスピード、ブレーキ調整のイージーアクセス、高ドラグ性能、そこそこ(250g前後)重いもの。
そのあたりをキーに探索した結果、レボ・ブラック10を入手。
値引きが大きいこともありポチりやすい値段だったこともある。
因みにカルコンとリョーガにしなかった理由はローギア比が引っかかったこと。
その他のハイスペック機、アンタレスはロングキャスト性能やスムーズな巻き心地ばかりを謳っているためかピンとこないというかニーズに合わないというか。
ジリオンは琴線に触れるものがまったくないので眼中になかった。
USダイワの赤ジリオン売っぱらったばかりだし。
名前はブラックだけどガンメタカラーだった。
傷が目立たなくて良いかも。
ハンドル、でかっ!
ただそれは必然で、10.1:1という冗談のようなハイスピードを実現するためにギアが巨大なわけで、当然のようにハンドル回転が重い。
個人的にはギリ許せる重さだけど、ショートハンドルに換える気になれない。
右ハンドルなら問題ないけど、左はね、ハンドルでかいとキャストに多少影響するものだがどんなもんだろう。
予想通りワーシャゴーテンと組むとバランスはばっちり。
ルックスは微妙。
レコード41と組んだ方がカッコ良いのは確か。
ブレーキの調整は外付けのダイヤルを回すだけだからイージーアクセスかつイージーセッティングだ。
しかも細かく調整できるのが良い。
Maxの効きから徐々に落としていき最適解を探るのが楽だった。
基本的に現場にロッドを1本しか持っていかないので、風向きの変化やプラグローテーションに応じたブレーキ設定をいちいちやらなければならない。
だから調整方法がイージーであればそれにこしたことはない。
マグネットの数も変えられるけど、使い込まないと必要性を判断できない。
とりあえずデフォルトのままで良さそうだが。
ハンドル回転は確かに重いのだが気になってしょうがないほどではなく、いずれ慣れてしまうだろう。その程度。
飛距離は申し分ない。
神経質さも皆無。
深溝スプールなのでPE2号を150m巻いてもかなりエッジまで余裕がある。
ハンドルがね。
そこだけちょっと。
思っていたより(期待していなかったという意)飛ぶのでロングキャスト用のスコーピオン1703-2に合わせても良さそうだ。
プラグの回収速度はかつて経験したことのないもので、巻きあわせにも強みが出そう。
超ハイギアの基本を押さえたタフ機という印象で僕のニーズにマッチしている。
シマノ偏愛者には多分好まれないと思うけどね。
ダイワ好きのキャラは良くわからないのでそっちはコメントできない。