ショートレビュー カネロ-フィールディング

 

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Saturday 15, December 2018

Madison Square Garden, New York, New York, USA

Commission - New York State Athletic Commission

Promoter - Golden Boy Promotions - Oscar De La Hoya, Matchroom Boxing - Eddie Hearn

Television - Latin America: Canal Space  

  Super Middleweight Contest, 12 Rounds 

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マッチアップ:★★★

スリル:★★★

スキル:★★★

印象度:★★

 

DAZNと大型契約を結んだカネロのノルマ消化試合と言ったらフィールディングに失礼か。

まあ言われても仕方のないようなワンサイドだったが。

今更プロモーションファイトの必要のないカネロにとっては無難に仕事を終えたという感じだろう。

マッチアップの魅力はなかったけどカネロのステイタスアップを図る目的は達成した。

168ポンドクラスになると体格の良いファイターがゴロゴロいるので相対的にカネロは小柄な部類になる。

ただしパワーは十分なので体格差がデメリットに直結するわけではない。

スタイルとゲームプラン次第では問題無く戦っていけるウェイトであるとことを証明したのではないだろうか。

距離をどうやって潰すかがポイントだと思うが、その点でカネロは優等生回答ができるファイターだ。

潰すといっても接近しすぎると上から抱え込まれるので距離的にはミドル〜クロスレンジの微妙なポジション。

相手は何もできず、自分は好き放題というシチュエーションを作れば良い。

脇腹打ちで腰を引かせてしまえれば、相手の上体が下がり前のめりになる。

顔面の位置が下がったらアッパーを突き上げる。

アッパーを意識させてガードを絞ってきたらサイドからフックを叩き込む。

左フックでレバー→右アッパーでチン→右フックでジョー

このパターンループでフィールディングは脆くも崩壊した。

ロベルト・デュランが十八番にした戦術だが、カネロはパンチがあるから尚更効果的。

つまり相手にしてみればパンチのあるデュラン(デュランはハードヒッターではない)を相手にしているようなもの。

短身だからできるということではなく、

リアクションデフェンスと耐久力に自信があるから実現するスタイル。

この総合的にレベルの高いディフェンス力がカネロの地力を支えているのがわかる試合だった。