Compubox

 

Compubox関係者へのインタビュー動画です。

 

要は勝てば良いプロボクシングの試合において手数とアキュラシーを数値化する意味があるのかどうか?

主観と客観。

実際のジャッジは主観で行われているわけですから、数字で勝敗の信憑性を判定しようという目的はないはず。

では彼らの測定しているデータをどう捉えれば良いのか?

ひとつのサンプルとして『カシアス・クレイ vs.ソニー・リストン』を取り上げてみます。

 

 CompuBox – CompuBox Stats: Clay KO 6 Liston

 

結果はご存知の通りクレイの6R終了TKO勝ちです。

リストンは試合続行不能だったのですから敗者以外なにものでもありません。

ではリストンはクレイのパンチでダメージを受けていたのか?

クレイが例の派手なアウトボクシングで試合を支配していたのか?

答えはNOです。

確かにアキュラシーでは上回っていますが(クレイ40%、リストン31%)クレイの繰り出したパンチの74%はジャブです。

しかもリストンにヘッドスリップでほとんど避けられていて、当たってはいてもモロに決まるような正確なコンタクトは少なく擦るような感じが多いように見えます。

つまりリストンをさばいている印象は希薄。

逆にリストンは手数でクレイを上回り(330対239)更にパワーパンチのヒット数で圧倒しています。(63対25)

ただクレイのダイナミックでスピーディーな動きはとても目を引くのか実際のスコアは、

57対57、58対56リストン、58対56クレイとクロスしています。

まあ6Rで終わってしまうのでスコア云々を語るのはどうかとは思いますけどね。

何が言いたいのかというと、6Rまではクロスファイトではあるが、より効果的なパンチを当てていたのはリストンだったということ。

全盛期のリストンと比較すると実力的に落ちている感は否めないものの若いクレイに対して内容負けするほどではなかったということ。

そのあたりの認識と試合展開の輪郭をよりはっきりさせる根拠として数字が生きてくるのではないでしょうか。

正直、ボクサーとしてリストンの方がアリ(クレイ)より遥かに好みなのでそんな見方をしてしまうのかもしれませんが。