そうだ、ダウンで誘ってみよう

 

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CT40改はこんなロケーションで使うことを想定している。

撮るのが下手なため奥行きがわかりづらい写真だが、小さな落ち込みが連続している地形だ。

落ち込みから次の落ち込みまで6〜7mくらい。

高低差があるので流れは速くて複雑に巻いている。

ルアーでアプローチできるスペースが少ない上に足場の確保も困難なためか大概のアングラーにパスされるエリアでもある。

もっと地形的に開けた大場所や流れが淀み水深のある落ち込みを皆狙うためあまり攻められていないのだ。

だから魚がスレていない上にチェイス(餌か否かの確認作業)する距離がほとんどないから居れば即バイトにつながりやすい。 

実際僕が魚を掛けるのはこういうポイントが多い。

ただメチャクチャ釣りしにくい。

足場は悪いわ、超近距離キャストだわ。

アキュラシーはcmレベルが要求され、ミスキャスト即終了というシビアさ。

手返しよくポンポン打つということができないので遡行を停滞させるし、決して魚影が濃いわけではないので合理的な選択と言えるかどうかは微妙だ。

それでもハイプレッシャーフィールドで魚を見るために外せないエリアだと確信している。

当然超ショートロッドを使う発想になるし、ほとんど手前で食ってくるのでバラし対策やフッキング戦術に工夫がいる。

で、CT40改導入ということなのだが。

 

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最近は楽をするようになっていて川を遡行せず森の中を歩いてショートカットするようになった。

まあ時短目的で。

それと体力温存目的で。

それとブーツのフェルト摩耗を考慮して。

渓にエントリーした地点から脱出する地点まで隈なくチェックしていたら時間も体力も浪費してしまうので。

森の中は鹿のフンがやたら多い。

中流部ほど鹿を見かけないのは人馴れしていなくて警戒心が強いからだろうか。

鹿が多いということは、きっとアブも多いだろうから夏は来る気にならない。

アブだらけの沢なんて気が散って釣りにならないからね。

 

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CT40改の使い勝手はほぼ想定通りでメリットを実感することができた。

それはショートレングスに起因するメリットであり、至近距離でのアプローチが無理なくできる。

今までピッチングで入れていた岩と岩の隙間にフリップキャストで入れられるようになったことは大きい。

手返しが良いからね。

水面や岩をプラグで叩くこともなくなった。

30cm以上ブランクスが短くなったのだから当然だが。

グラスによるバレにくさに関しても確かに実感できる。

感度やロッドアクションのキレがない反面それ以上の見返りはあるのではないか。

きっとランディング率は上がると思う。

ただキャストの楽しさはB50UL改の方が全然上だ。

その点に関しては3千円のロッドに過剰な期待は禁物 。

チキンラーメンと人気店のラーメンを比較するようなものだから。

 

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これは渓流というより里川のポイントなのだけど、一見大きな変化のない見過ごしがちな地形だが実は魚ががっつり付きやすいピンポイントがある。

それがどこかわかるだろうか?

キーは流芯がS字に巻いていること。

写真中央にある水中の岩(魚が付くほど大きくない)が流れの向きに影響を与えていて流芯を右岸側に曲げている。

石の下流側に流れの淀み(反転流ではない)があり流芯とのエッジ部分が白く泡立って入るのがわかるだろう。

このエッジ部を意識した活性の高い個体が高確率で付いている。

ここに来るたびに必ず食ってくるのだからそういうこと。

ポイントとも言えない小場所にアマゴが付くことをここが教えてくれた。

以後僕の渓魚戦略は大分変わった。

もう一つ戦術的に固定観念を改めたことがある。

ダウンストリームのアプローチだ。

 

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写真右下で切れてしまっているが1m上流に落ち込みがあり立ち位置はインサイドベンド側で撮影しているもの。

ここはね、キャストがむずくてアップで狙いにくい地形なのだが上から下がっている木の枝に引っかける覚悟で無理してアップにキャストしていた。

しかも着水3秒で狙い所を通過してしまうためほぼ意味のないアプローチになっていた。

で、上流側にまわりダメもとでダウンでアプローチしてみた。

ちょうどこの撮影ポジションのあたりからアウトサイドベンドの際に着水させてドリフトで写真中央左の大岩の下に送り込んでトゥイッチ1発入れたら食った。

その魚はバレてしまったが自然に無理なくアプローチできたことが重要だった。

「ダウンもシチュエーションによっては有りかも」

流れに対して斜めのアングル(所謂ダウンクロス)の軌道でピンにプラグを絡める時間的な余裕が作れるのが大きい。

アップが早送りならダウンはスローモーションという感じか。

スローモーションでなければプレゼンできないシチュエーションは確かにある。
 

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CT40改に入魂した釣果はダウンストリームのアプローチだった。

高低差の小さな堰堤の上から落ち込みの下流側を探った結果だ。

フォーカスしたのは落ち込みの中ではなくそのちょい下流側。(白い泡がちょうど切れる部分)

プラグが泡のエッジ部分を舐めるようにドリフト気味にダウンクロスで引きつつ水中の目視できる岩にかかる時にトゥイッチを入れた。

メリハリを意識してね。

ちょっとプラグを見せ過ぎかなと思うぐらいがちょうど良かった。

ルアーが見切られるというのは何度も同じアプローチを繰り返して覚えられてしまうこと。
初っ端であればむしろゆっくり時間をかけても良いではないか。

そんな感を持った釣果だった。

 

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 これは大きな堰堤のポイント。

メジャーなエリアでエサ釣り、フライ、ルアーで叩かれまくっている。

だから従来の僕のマインドセットでは魚を出すことはできない。

「ダウンも有り」と認識を改めていたから食わせることができた。

ここは流芯が右岸側に寄っていて左右で流れの勢いが違う。

手前側(左岸側)には反転流が出ていて落ち込み側に向かって流れている。

ただ堰堤の水が上から落ちてくる轟々とした勢いのためわかりにくい。

ゴミでも流れていない限りなかなか気付かない。

写真中央の切れ切れの泡の筋が反転流なのだが写真ではわからないと思う。

この反転流の上流側(つまり川の下流側)を向いてアマゴはポジションしていた。

つまり反転流で流されてくる餌を意識していたと思われる。

で、ダウンでアプローチしてみたら(上流側落ち込みの方ではなく下流側に)食った。

 

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流れの向きだけで見ればアップなのだけどね。

反転流絡みではいろいろ小細工するのだけどこの時は単純に引いただけ。

魚がどの方向を意識しているかは魚種に関わらず大事だよね。

 

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いつも車が停まっていて餌、フライ、ルアーに限らず誰かしら入ってるポイントが平日ということもあり珍しく空きだったので初めて覗いてみた。

居る居る。

理由不明だが魚がタイトなエリアに溜まっているのがすぐわかった。

だだしチェイスするだけでまったく食わない。

餌でないと難しいだろうなと思いつつ試しに逆引きしたら食ってきやがった。

うーん、こういうことが続くと自分の釣りが崩れそうでちょっとこわい。