ショートレビュー ジョシュア-ルイス

 

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Saturday 1, June 2019

Madison Square Garden, New York, New York, USA

Commission - New York State Athletic Commission

Promoter - Matchroom Boxing - Eddie Hearn, Salita Promotions - Dmitriy Salita, Greg Cohen Promotions - Greg Cohen

Television - United Kingdom SKY Box Office, Latin America: Canal Space, Panama Cable Onda Sports, Poland TVP Sport  

     Heavyweight Contest, 12 Rounds 

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マッチアップ:★★

スリル:★★★

スキル:★★★

印象度:★★★★

 

NYマジソンスクエアガーデンというエンタメ箱はあまり番狂わせの展開を連想しない。

パッと思い浮かぶアップセットは落ち目のデュランがデビー・ムーアを倒した試合くらい。

ただあの試合はムーアの減量失敗によるコンディション不良や会場がラテン系の観客に埋め尽くされて、まるでデュランホームのような異様な雰囲気だったことなど納得できる要因があった。

初の英国外での試合で多少はナーバスになるだろうとは思ったが、まさかジョシュアがルイスに完敗するとはね。

どうしちゃったの?

ドーピング違反のミラーの代役に過ぎなかったルイス。

260ポンドを超えるビア樽のような体型からして強そうに見えないが、まるでそれがカモフラージュだったかのような圧勝劇。

もしかしたらジョシュアのコンディションが良くなかったのかもしれないが、スピードと手数でルイスが優っていたのは誰の目にも明らかで、ジョシュアはルイスのオフェンスにまったく対応できていなかった。

3Rのダウン(特に最初の)がかなり効いてしまっていて、ことのほかダメージが抜けなかったこと、

4Rに勢いづいてくると思ったルイスがお休みしたことで「ホッ」と安心してしまったこと、

からのタイミングをずらしたルイスのアタックに精神的な準備ができなかったこと、

などなど。

それにしても脆かったね。

戦術的にはルイスの覗き見ガードが効果的だったと思う。

マイク・タイソンも同様だが、ファイタータイプがそのスタイルで前に出るとジャブが突けるのだ。

相手のジャブやストレートはヘッドスリップで、

左フックはダッキングで避けながら前に出ていけるメリットがある。

更にジャブをリズム良く出せれば相手の上体を起こしてミドル〜クロスレンジに持ち込んでコンビネーションが繰り出せる。

ルイスは段取りよく戦術を遂行し、かつミドルレンジでのコンビネーションにスピードがあった。

だから的中率が高かったし、

ジョシュアは相手の土俵で戦わされていた感が。

小兵(と言ってもルイスは188cmあるのだが)の強みを活かすためにはスピードで勝ることと距離を主体的にマネジメントすることに尽きる。

それとルイスは見た目からは想像つかないけど以外にパンチがあるんだろうね。

3Rに右フックをテンプルに受けたジョシュアの効き方を見るとね。

ヘビーウェイトだから当たればそうなるだけでは片付けられない。