ショートレビュー コバレフ-アルバレス

 

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Saturday 4, August 2018

Hard Rock Hotel & Casino, Atlantic City, New Jersey, USA

Commission New Jersey Athletic Control Board

Promoter Main Events - Kathy Duva

Matchmaker Jolene Mizzone

Television USA HBO, Panama RPC Channel 4, Latin America: Canal Space 

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マッチアップ:★★

スリル:★★★

スキル:★★

印象度:★★★

 

 

コバレフが倒されるシーンを観て連想した過去の試合が、

ウィルフレド・ゴメス vs. アルフレド・レイン

 

 

 

倒し屋の看板を背負っているスターボクサーの無残なKO負けであること、

相手が無名のファイターであること、

倒されるまではポイントリードしていて特別劣勢な展開ではなかったこと、

そしてあまりにもあっさりと倒されてしまったこと。

スピード、キレがなくて序盤から不用意に相手のパンチをポツポツともらっている点も同じかな。

確かに伏線はあった。

今日のコバレフは良くなかった。

アルバレスは序盤こそコバレフの名前に敬意を払ってはいたが、スローなコバレフを目の当たりにして徐々に恐怖心が薄まっていったのだろう。

「あれっ、こいつ評判ほど強くないのでは?」

で、思い切り踏み込んで大きな右を出してみたら、相手は反応しきれずに当たった。

紛れ当たり、ラッキーパンチではない。

狙って当てたのだから。

コバレフに対してここまで確信的なオフェンスが出来たファイターはいなかった。

その前に倒されていたからね。

コバレフのオフェンスに対処するだけで皆精一杯。

自分のペースでオフェンスする余裕なんて1ミリもなかったのだから。

さて、アップセットを演じたアルバレスだが、この先明るい未来が約束されたわけではない。

ルフレド・レインはゴメス戦の次の試合で負けていて、その後連戦連敗で消えてしまった。

番狂わせで強豪を破り、唐突にスポットライトを浴びた者がその後スターボクサーの階段を登る例はほとんどない。

ルフレド・レイン以外にもジェームス・バスター・ダグラス(タイソンにKO勝ち)、アイラン・バークリー(ハーンズにKO勝ち)なども番狂わせを起こした次の試合で負けている。

アルバレスがそうなるかどうかは本人次第だが、コバレフ戦を観る限り特に際立った能力は感じなかった。

次戦が試金石になるのかな。多分。