サイレントアプローチ

 

炒め物や煮物などの料理をするとき、

ガスコンロのつまみを操作して火加減を調整する。

強火で火を一気に通したり、

弱火でじっくりコトコト食材を煮込んだりと。

特に煮るという調理工程においては、強火〜中火〜弱火のように火力(熱量)を徐々に落としてやるのが常套だ。

スズキ釣りにおいても火加減の調整的なプラグローテーションが嵌るケースはままある。

一般的には静かでナチュラルなアプローチが有効だと思われているようで、

流れの変化に連動しやすいリップレスや華奢なシルエットのプラグで静かにアプローチした方がターゲットに違和感をあまり与えずに済むということか。

リアルベイトが沢山いる状況でプラグを選んでもらうにはある程度目立たせることが必要だが、目立つ度合いをどう考えるか。

目立ち過ぎたらダメなのか?

ターゲットに見切られてしまうのか?

ハイアピールを具体的にどう演出したら良いのか?

まあ答えを書いたところでそれは机上の空論だ。

ドラマのセリフではないが事件は現場で起きているのである。

プラグの集魚要素として、実は違和感が最も大きいのではないか?

ターゲットに気づかせて、衝動を起こさせればバイトに持ち込めるわけだが、

「そこらを群れているベイトとは何かが違う」

そんな特殊性というのもプラスに作用していると感じることが度々ある。

「こんなものに何故騙されるのだろう?」

不思議に思う時突き詰めて考えると、

違和感というネガティブワードが反対の意味を持ってくるのではないかと。

スズキは概ねプラグに反応しやすいからポピュラーなターゲットになっているわけで、

マッチする違和感レベルは、フィールド固有の魚影や食性(ベイトフィッシュ)に密接に関係しているから状況に応じてその匙加減をアングラーが調整してやれば良い。

だからエース指名のプラグを最初から最後まで引き倒すことには否定的なスタンス。

プラグのテストとか「何々縛り」みたいな自虐行為をしているのならそれはそれで面白いかもしれないが。

合理性がないとか釣れないわけではないが引き出しを増やすことには繋がらないのは確かだ。

違和感のレベルがどうかなんて意味をなさなくなるし、魚の活性に極端に左右される釣りでゲーム性をあまり感じない。 

違和感の匙加減が有効に働けば、アングラーが活性を上げることも十分可能なのだ。

それこそプラグを使った釣りの醍醐味だし。

 常々思っていることだが、ルアーフィッシングって実験の要素があるよね。

トライアンドエラーのエンドレスサイクルだし。

なかなか答えが見つからないとか、もしかしたら答えはないかもとか。

自然の仕組みを詳細に観察し、考察し、仮説を立て検証し、証明する。

正に実験そのもの。

実験が楽しいからこの釣りを長く続けらているのだろう。

現状はハイシーズンのピークが終わったため観客の多くが席を立ってしまって空席の目立つサッカー場のような状態だ。

展開も結果も変わらないタイムアップまでの緊張感のない時間帯みたいなもの。

なんとか魚は見れているので納竿するタイミングを決めかねている。

病み上がりの体調の関係もあるので冷え込む前にとは思っているが。

 

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反則ペンシルのZ-clawに出たフッコ。

同一個体が3回もバイトした挙句掛かるという執念さだった。

 

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同じ日にBKSP115改に出た70クラス。

昔ながらのウォブラーも使い方次第で十分スタメンを張れるとまたしても証明してくれた。

やっぱりU字引きが強いかな。

ターンで食わせるという古典的なね。

しばらくやっていなかったメソッドなので逆に新鮮。僕にとっては。

ブルーオーシャンのようなブリブリウォブラーはセンシティブなアプローチには向かないけど前述のように違和感が集魚のキーになる状況(オープンウォーターで魚のポジションが曖昧なシチュエーションとか)ではサーチベイトとして機能させると良い。

食わせまで十分もっていけるが、寸止めされてしまうようならジャークベイトなどをフォローしてやればOK。

巷に溢れる単なるシャローランナーとは一線を画すポテンシャルを秘めている。

引き出せるかどうかはアングラー次第だけど。

レベルアップを図りたいのならこういうクラシックプラグを使って試行錯誤する道を敢えて選ぶ道もある。

多少困難を伴うが多くの気付きを得られるはずだ。

良いプラグってそういうもん。

「お前が薦めたプラグ釣れない」

ってクレームは一切受け付けないけどね。

それは君が下手なだけだから。

 

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ジャークベイトの中で唯一結果を出していなかったFangbait120SR。

高浮力で固定重心のためウッドプラグのような立ち上がりの良さと大きなアクションが特徴で使いどころが見出せなかったがようやく嵌った。

翌日の釣行、

30m上流でアユの小さなロットが流下してくるのを確認。

そのすぐ後ろにスズキらしきもじりがモワモワ。

トップでいこうか迷ったが上に出ないと判断しFangbait120SRを選択した。

流れに向かって水平に超アップストリームキャストし着水即ジャークでアピール。

水掴みの良さによりドアップキャストでもちゃんとアクションし誘ってくれた。

なるほど立ち上がりの良さを利用できるシチュエーションなら戦力になりそうだ。

ブッシュぎわとか今回のような超アップで泳がせにくいときとか。
 

www.npr.org

 タイトルおよび内容とは無関係だけどNPRのTiny Desk ConcertにSnarky Puppyが出演していたので嬉しくて思わず貼らせてもらった。

 大所帯のイメージの彼らがわざわざ敢えてTiny Deskというサプライズにインパクトがあると考えると今回の内容と無関係ではないかな?多少こじつけだが。