昨年１１月、ジョー・フレージャーが６７歳で亡くなりました。
ファイタースタイルのスタンダードを残した名選手です。
その後同様のスタイルのファイターは数多く出現しましたがオリジナルを超えることができた者は皆無でした。
攻防一体のリズミカルで滑らかなボディワークと巧みなシフトウェイトがリンクしていて放たれる左フックの軌道には美しさすらありました。多少時代が違うとはいえ、似たスタイルのロッキー・マルシアノとはボクサーとしての完成度が段違いです。
当然フレージャーの方が優れており、ボクシングファンは「ジョー・フレージャースタイル」と良く口にしますが、「ロッキー・マルシアノスタイル」と言ってもピンときませんからね。
個人的なベストファイト、ボブ・フォスター戦を貼らせて貰います。合掌。
フォスターが必死にジャブを出してフレージャーの前進を止めようとしますが、ほぼ全部外されています。
無闇に体を振っているわけではなく相手を追跡しながら最適なポジションにスムーズに移動してますし、相手の反撃のパンチを結構目で避けてますよね。
防御勘の良さが窺がえます。
左フックを捻じ込むというよりはきちっとタイミングとアングルを計って左手を振っているのがわかります。
フィニッシュブローの左フックを喰った後、フォスターが一瞬アゴを突き出して天井を見上げた後にマットに沈むシーンは瞼に焼きつきますね。
おそらくフレージャー全盛期のパフォーマンスでしょう。やっぱ凄いわ。
