<ミドル級12回戦 セルヒオ・マルティネス vs マシュー・マックリン 米国 ニューヨーク>
WOWOWのレギュラー放送で観戦。
37歳のマルティネスが“驚異の男”のニックネームが伊達ではないことを証明する試合内容でしたが、相手のマックリンもディフェンスの堅いなかなか良いボクサーでしたから白熱した面白い試合だったと思います。
マルティネスのボクシングの変則性にフォーカスして観戦しました。
試合の流れに関係なくほとんどオフガードですが、スムーズにパンチを出すための必然なのかもしれません。
最大の特徴のフットワークは軽量級でもここまで動き回るボクサーはまれなほどで、チョコマカよー動きます。
ボディワークではなく足で相手の攻撃をかわしているイメージです。
で、繰り出すパンチはほとんどカウンター。
で、異様に高い的中率。
パッキャオと同じハイテンションスタイルですが、パッキャオほどの手数はありません。ただしナチュラルカウンターを高確率でヒットさせますから無駄打ちする必要はないのでしょう。
トリッキーなスタイルなのか?
それ風ではありますが、マルティネスの場合は派手な(ショーマンシップ、パフォーマンスとしての)技巧派と言ったほう良いかも。
わかりやすく言えば、パンチのあるヘクター・カマチョ。
同じサウスポーのカマチョと比べるとよりマルティネスのスタイルが鮮明に見えてくるんし、相対的な位置付けができるようになるのではないでしょうか。
カマチョも速いフットワークを持っていましたが、マルティネスはより攻撃性を伴うつまり出入りのフットワークです。カマチョはどちらかというとディフェスライクなフットワークだったと思います。距離が詰まるのを極端に嫌がってましたしね。
スピード感のあるボクシング、相手にしてみれば捕まえにくいという点は共通してます。
カマチョはフットワークだけでなくジャブで自分の戦いやすい距離を保ってましたが、マルティネスはジャブはあまり突きません。どちらかというとリアクションボクシングなので相手の手数を押さえ込んでしまうジャブは不要なのかもしれません。相手に打たせないことには本領が発揮できないという感じでしょうか。
自分から仕掛けるのは少し苦手で、主導権を積極的に取りに言って試合を作るタイプというイメージではないですね。
対ウィリアムス初戦ではそれがマイナスに作用してスコアがより積極的なウィリアムスに傾きましからね。
パンチの多くはストレート系、手も長いし、出入りしますから相手からしてみればディフェンスしにくいしょうね。
ビッグマッチには恐らく今後も恵まれないのではないでしょうか。
強いだけでなく、曲者系でだれもがやり難いであろうタイプですから。
ディミトリー・ピログとの試合が観てみたいです。