<WBAスーパーウェルター級タイトルマッチ ミゲル・コット vs フロイド・メイウェザーJr ラスベガス>
先ず、メイウェザーのワンマンショーではなかったということ。
ディフェンスの上手い選手同士の試合はやはり見ごたえがあるということ。
メイウェザーの手数が多かった理由、
それは、カウンターに拘らず手を出し続けないとコットのプレッシャーをかわせなかったから。
コットは闇雲に手を出さずに微妙にタイミングをずらしてメイに先に手を出さすことでディフェンスの隙を見つけようとしてましたね。
隙は例によってほとんどなかったですが、今までのメイの対戦相手とは違うアプローチをコットはしてきたんだと思います。
手数を控えつつプレッシャーをかけるという戦術は、メイ相手にそれなりに有効でした。逆に言うとそれしかパンチを当てる術がなかったのかもしれませんが。手を出さずに前に出るというのは本来無謀なのですが、ディフェンスに自信を持っているコットだから試せたんではないでしょうか。
試合を通してコットはそれなりに打たれましたが、カウンターをビシビシ決められたわけではありません。
メイのパンチをはずし切るのは無理なのはわかっていたわけですが、せめて見栄えを悪くするカウンターを取られないことを主眼においていたんではないでしょうか。対マルケス戦あたりが参考になったのかもしれませんね。マルケスでさえ打っていけばメイにカウンターを取られるというのを目の当たりにしましたから。
コットの戦略を察知したメイがカウンター狙いを捨て、オーバーハンドライトの連打をしてみたり接近戦でアッパーをいつも以上に突いてみたりと戦術を柔軟に切替えるあたりは、さすがでしたけどね。
今日のコットはメイウェザーにとって強敵だったと思います。
的確な戦略と勝利への強い意志をもって戦ってましたから。
ワンサイドスコアで試合の評価をしてはいけません。
だからといって苦戦だったかといえば、「多少手を焼いた」程度だったのかもしれませんけど。
いつもワンサイドゲームばかりのメイですからそんな印象を持っただけなのかな。
ただフロイド君も難攻不落ではないのかなという気にさせたコットに僕は拍手を贈りたいと思います。