バイエルン・ミュンヘン vs チェルシー

<CL決勝 バイエルン・ミュンヘン vs チェルシー アリアンツ・アレーナ

自陣にベタ引きしてカウンターを狙う戦術は、近年ハイレベルなカテゴリーでは見られなくなっていましたが、久しぶりに拝めましたねチェルシーのおかげで。
案の定、試合後には手放しで勝者を称える声はあまりなく、かといってバイエルンに同情する声もあまりないように感じます。
つまりどっちもダメという世間の評価に落ち着くのではないかということです。
試合展開のドラマ性はありましたが、試合そのものは、ハイレベルとはいいがたい内容でした。
CL準決・決勝のような戦い方(スタイル)を否定したからこそ新進気鋭のビラス・ボアスを招聘したチームが1シーズン足らずで改革を投げ出して(ファンはそう見ると思う)時代に逆行するスタイルへ回帰してしまったと捉えられてもいたしかたないでしょう。
チェルシーのサポーターがどう思っているかは知らないけど。
攻撃サッカーの旗頭的存在のバルサ相手に通用してしまったために妙な説得力を持ってしまったようですが、バルサが調子を落としていた(過密日程と選手の怪我による)時期に当たった幸運もあるかと思います。
好調時のバルサ相手だったらあの戦い方で果たして勝てていたかどうか。
結局、要のポジションに優れたコマを置いているから勝負強いのかな。
ゴールキーパーペトル・チェフは文字通り守護神ぶりを発揮してましたし、アシュリー・コールも1対1でマッチアップする相手をほとんど止めてましたし、守備にプライオリティーを置いたランパードは意外なほど高い能力を発揮してましたし、ワントップのドログバの大事な試合での決定力は尋常ではなかった。
守備的とはいえ局面局面では勝ち越してしまうわけですから崩すのは超難しいチームですよね。
能力の高いベテラン達が本気になって守りを固めるとこうなるという典型。
バイエルンはリベリとロッベンが止められてしまうと代替プランがなかったように思います。
攻守の切り替わる展開ならロッベンやリベリのスピードとテクニックが生きるのだろうけど、チェルシーのようにどっしりと守られると厳しいよね。

来月はユーロがありますが、チェルシー的な戦い方をする国がないことを祈るばかりです。