ウェーダー考

ウェーダーに求める機能はフィールドや対象魚そして個々のアングラーの
スタイルによって微妙に変わってきます。

例えばサーフで釣りする場合は、濡れないという目的に適えばそれでよく、
それ以外の機能、例えば歩きやすいとか蒸れ難いといったプラスαは
副次的であり絶対条件になりません。


大河川の下流部や中流部でのウェーディング(スズキ釣り等)は
防水機能以外にも快適性が求められますかね。
立ち込む時間が長いですから冬場の低水温対策や夏場の群れ対策をしていることが
絶対条件になるでしょう。

河川上流部での釣り(アユ釣りとかフライフィッシング)では
流れの速い川の中に立ちこむことが前提になりますからただ濡れないだけでなく、
岩がゴロゴロしてしかも苔がついてスリッピーだったりするシチュエーションで
安全に移動するための機能が必要になってきます。
しかもエントリーするために藪漕ぎしなければならないことも多く、
耐久性や快適性もかなり重要な要素となってきます。

結局自身の釣りのスタイルやフィールドにあったウェーダーを選ぶことになります。
ファッション的なことやブランドへのこだわり的なことは、
重要視しない方がいいと思います。本当に大事なことがぶれてしまいがちですからね。

そして忘れてはならない重要な要素としてはコストがあります。
ウェーダーは最もお金がかかる消耗品だからです。
「自分は今のウェーダーを10年使っている」なんて人は
使用頻度が極端に低くないかぎり普通は存在しないはず。
だいたい2シーズンで駄目になってしまいます。僕の場合。
ピンホールや裂け傷を補修材で修理しつつ、そんなもんです。
使って使えないことはないんですよ。
ただ水漏れを我慢しなければならないので釣りが快適でなくなりますけどね。
丈夫で長く使えるウェーダーもあります。
代表格はSIMMSです。メイドインUSA。
グレードにもよりますが、上位グレード(G4とか)であれば耐久性は抜群です。
5シーズン以上使えるかもしれませんね。
ただし値段も高い。それとサイズ合わせに難ありです。
日本人の体型には合わせていませんからね。
日本仕様もあるにはありますがそれほど違わないという印象です。
僕もSIMMSを使っていました。
eBayでポチ買いしたのですが、確かに良いです。
値段を気にしなければお勧めですが背の低い人(典型的な日本人体型の人)は
止めた方がいいと思います。サイズが合わないですよ。
それと脱着で難儀します。
スリムでカッコいい反面、下半身にフィットしますからまあ、脱ぐにくい。
腰痛持ちの人は脱ぐ時に腰が痛くなるかもしれません。
それくらい脱ぐときに力を使うんですよ(笑)

値段が安くて丈夫なウェーダーはないのか?
ありません。
丈夫さの基準は人それそれでしょうが、
僕の使い方(年間100日くらい使用、
チャラ瀬やガンガン瀬の中に頻繁に立ち込む、ヘビーな藪漕ぎが多い、
車を停めたところからポイントまでかなり歩く)
で丈夫と認識できる安価なウェーダーはないです。
あったら教えて欲しいものです。
高価な消耗品。僕にとってはそれ以外何物でもない。

ストッキングタイプとブーツタイプの使い分けですが、
沢山歩く人、特に石ゴロゴロの川原や地磯など極端に歩きにくい場所を
移動する釣りをするのならストッキングタイプを選択するのが無難です。
歩きやすさが段違いなので考察の余地はないでしょう。
安全面を考えれば特にね。
ストッキングタイプの場合、
別途ブーツも用意しなければならないのでコストが嵩みますけどね。
ブーツタイプは特殊なポイントでは釣りしない一般的な
シーバスアングラーには十分でしょうけど。
使用頻度が高くなると不満が出てくるかもしれません。

素材に関してはゴアテックス多層構造(SIMMSの上位グレードがそれ)
がベストです。
それ以外の透湿素材は値段なりの性能と思っています。
ネオプレーンやクロロプレーン素材は保温性を重視しないかぎり
必要ないと思います。
が、膝下をガードするという機能は捨てがたいです。
川の中で転ぶ時の多くは沈み石につまずくからなのですが、
その際膝や脛を岩で強打することがあり、これがね、悶絶するほど痛いんですわ。
怪我に繋がることもあります。
ネオプレーンのクッション性は岩から膝や脛をガードする役目を
するので助かるんです。
実際僕もそれで助けられたことが何度もあります。
透湿素材のウェーダーであっても膝下を保護するためにゲーターを付けたりすれば
必要な機能が得られます。
リトルプレゼンツのウェーダーゲーターなどがそうです。
僕も持ってますが機能的で良い製品だと思います。

取り留めなく書いてきましたが、自分にあったウェーダー探しの旅は
なかなか終着しないというのが実は結論です。
現在は、SIMMSのような高価なウェーダーは使っていません。
SIMMSの3分の1程度のお値段の透湿素材ウェーダーを
2シーズンで使い捨てるという感じです。
今使っているリトルプレゼンツのウェーダーは
中国製で安価ですがコスパは悪くないです。
同社の製品を2シーズン毎に買い換えていますね。
使用していてダメージを受けるのは先ずソックス部の踵です。
靴下が擦り切れるとの似ています。
僕は一回の釣行で2キロくらい歩くのでこれは避けられないです。
藪漕ぎを多くするのでピンホールは当たり前のように出来ますが
これは補修材で直せます。
素材の耐久性が使用歴に応じて落ちてきますからある一線を越えると
ダメージ補修をサボれなくなります。
だいたい2年シーズンフルに使うと補修だけではどうにもならないレベルに
劣化してしまい、結果買い換えるというサイクルですかね。僕の場合。

ウェーダー選びで重要視するのは、耐久性、快適性、安全性、ファッション性の順です。
あとはフィッティングですか。

僕の場合、消耗品と割り切れるようになってから求める機能と
コストとのバランスをより重視して商品を選択するようになりました。
妥協点のハードルは大分低くなったと思います。

現在メインに使っているリトルプレゼンツのSPハイブリッドチェストハイウェーダー。
膝下がクロロプレーン素材なっていている点がユニークです。