園子温監督作品『恋の罪』をDVDで鑑賞しました。
主演は水野美紀ですが狂言回しに徹しているため共演の富樫真と神楽坂恵が中心にストーリーが展開していきます。
大胆なヌードとぬれ場のオンパレードですが性をかなり生真面目に観念的にそして文学的なオブラートに包んで扱っているためか意外とあっさり見れてしまいます。
園監督の映画は『愛のむきだし』や『冷たい熱帯魚』もそうなのですが、漫画的でキャッチーな映像を繋いでいく手法なためか、長尺でもサラリと観れてしまう、粗探しなどしなければ単純に面白く感じることができるのが特徴だと思っていますが、『恋の罪』も同様の作風です。
約2時間半の尺ですが退屈せずに楽しめました。
現実に起こった「東電OL殺人事件」をベースにしているとのことですが、事件の詳細を知らないし関心もないので映画的にどう脚色しているのかはわかりません。
心に闇を持つ3人の女性(実質2人)が性を通しての自分探しストーリーと書けばライトな印象で済みますね。
一番狂っている名門大学助教授役の富樫真の言動は常軌を逸していて理解不能ですが、こういう演出ができるのは日本人映画監督では園子温だけでしょうね。特異なキャラを作るのが上手い。
『冷たい熱帯魚』の村田同様モンスターキャラで暴れています。
ベストセラー作家の妻役の神楽坂恵はモンスターに不条理の世界に引きずり込まれる役ですが、体当たりとしか思えないぶっ飛んだ演技をしています。上手い云々とういう尺度では測れませんね。
デートで観るにはどぎつい作品ですが、脇役も含めて役者のクオリティーは高いですから映画好きの人ならそれなりに楽しめるのではないでしょうか。
『Mont Ventoux Fixed』の動画のBGMが気になりチェックしました。
『Big Scary』というオーストラリアのバンドの楽曲。
他の曲も聴いてみましたが気に入ったのはこれだけかな。