印象に残るワンパンチ8

WBAフェザー級タイトルマッチ アレクシス・アルゲリョ vs.サルバドール・トーレス/1976-6-19/米国カリフォルニア


アレクシス・アルゲリョのフェザー級タイトル防衛戦。
前年に来日してロイヤル小林をボディブローで倒した試合(アルゲリョを初めてリアルタイムで観た試合、子供でしたが鮮烈に記憶しています。ボクシングファンになる切欠だったのかもしれません)も凄かったですが、フェザー級時代のアルゲリョはインパクトの強いノックアウトシーンの名作を残してくれています。
ルーベン・オリバレス戦など僕にとってのオールタイムフェイバリットマッチですもの。
126ポンドで戦っていたときのアルゲリョには倒し屋の迫力があるんですよね。
パンチがあって理詰め。そんな印象。


ワンパンチKOが少なくないアルゲリョですが、この試合でトーレスを沈めた右ショートの軌道とタイミングの素晴らしさは感動的です。
短い軌道でコンタクトしている点はパッキャオ戦のマルケスの5cmカウンターに通じるものがありますね。
通常、ショートレンジでは左フックを決めパンチにするケースが多いアルゲリョですが、ここでも左を当てにいったが空振りしたことでタメができ、しかも相手が上体を前にシフトしてくるタイミングで右を始動しているのがわかります。一種のカウンターなのですが、意図したものではないでしょう。
始動からコンタクトまでやや詰まっていますがスパッと切ってしまう。
だから効かせることができるんでしょうね。この絶妙なタイミングとコンタクトのときのアングルの秀逸さは特にフェザー級時代に垣間見れたのではないでしょうか。



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アルゲリョ vs.ロイヤル小林
ボディブローで倒されたボクサーが悶絶して立ち上がれないシーンを目の当たりにしてショックを受けたことを憶えています。
腹打たれてボクサーがダウンするとこの試合のKOシーンがフラッシュバックされます。今でも。