プレミアム・ラッシュ


ジュラシック・パーク」「カリートの道」などの脚本で知られるデヴィッド・コープが脚本と監督を務めたサスペンス・アクション。共同脚本は「ザスーラ」のジョン・カンプス、音楽は「ゾンビランド」のデヴィッド・サーディが担当。主演は「ダークナイト ライジング」「LOOPER/ルーパー」などで乗りに乗っているジョセフ・ゴードン=レヴィットと「マシンガン・プリーチャー」「テイク・シェルター」のマイケル・シャノン
 マンハッタンでバイク・メッセンジャーとして活躍するウィリーは、一通の封筒の配達を依頼されたことから、悪の組織や悪徳刑事、そして自転車に乗った警官たちに追われる羽目に。人や自動車がひしめくマンハッタンの渋滞を駆け抜け、ウィリーは無事に荷物を運ぶことができるのか!?


映画 プレミアム・ラッシュ - allcinema

日本未公開作品をDVDで鑑賞。ほんとは昨日これを借りるつもりでしたが、なんと全部貸し出し中。仕方なく『アルゴ』を借りたのだけど、今日返却に行ったら一本だけ『プレミアム・ラッシュ』があったので借りてきました。ジョゼフ・ゴードン・レヴィット(50/50の演技は良かった)が日本でそこまで人気があるとは思えないので、チャリンコ好きが挙って借りたのでしょうか?
ただこういうアクションのスリルを売りにしている作品はできれば映画館で観たいですけどね。

ストーリーはいたって単純。凄腕(スキルとぶっ飛んだメンタルの両方)メッセンジャーのジョゼフ・ゴードン・レヴィット君が荷主のご指名である荷物の運搬を請け負うのですが、この荷物は利益相反する裏社会の人達の思惑がからんだヤバイ代物でギャンブルで借金まみれの刑事が命がけでそれを横取りしようすることで<チャリンコ対車><チャリンコのタイマン>とシチュエーションを変えての鬼ごっこがストーリーの大部分を占めます。
摩天楼の中を信号無視、逆走当たり前のチャリンコスタントを堪能できます。どこまでCGでどこまで実写かはなんとなくわかっちゃうんですけどね。

荷主の中国人女性役のジェイミー・チャンと主人公のガールフレンド役のダニア・ラミレスがとてもチャーミングで画面に華を添えています。特にジェイミー・チャンの大切な荷物の運搬に失敗したことを知った時の泣きの演技は良かったですね。ああいう風に泣かれたらシカトできる男はいないわなと思わせましたからね。結果的にジョゼフ・ゴードン・レヴィット君の奮起(翻意)に説得力を持たせてます。

ノーブレーキピストを思いっきり肯定するシーンが出てきますが、これは一種の比喩であり、つまり常識に縛られたり杓子定規な人生設計が全てではないよと言っているだけなのであって、チャリンコを走らせるのにノーブレーキの方が速くて合理的とかそういったつまらないことをいいたいわけではないでしょう。
というのは日本人の考え方なのかな、この映画のスタントシーンに限りなく近い(もっとえぐいものも)街中でピストを駆る動画を観たことがありますし、アメリカのメッセンジャー文化はフィクションと大差ないのかもしれません。


86年作品、ケビン・ベーコン主演の『Quicksilver』と比較しながら観るのもいいかも。
チャリンコの趣味は僕は断然こっちですね。
交通量の多い街中で車を掻き分けながらピストで疾走するスリルを魅せる点は両作品とも同じ、まあそれが目当てで観る人も少なくないのでは。
モラルにシビア、ノーブレーキピストが社会問題になっている日本では逆に怖いもの観たさ的なニーズがあるのかもしれません。