70年代のヘビー級は面白かった2

<ヘビー級12回戦 ジェリー・クォーリー vs.アーニー・シェーバース/1973-12-14/米国ニューヨーク>

70年代に活躍した印象に残るヘビー級コンテンダー、ジェリー・クォーリーの試合を2試合ピックアップ。


ウエストコーストを本拠地にしていた当時貴重な白人の強豪です。
名前は売れてましたけど残念ながら世界タイトルには手が届きませんでした。
個人的にはモハメド・アリ不在期間(徴兵拒否によるタイトル剥奪)にジミー・エリスよりもベルトを巻かせてあげたかったボクサーですね。
絵に描いたようなアイリッシュファイターでボクシングファンの好感度は高かったのではないでしょうか。
先ずは、ベストバウトに挙げたいアーニー・シェーバース戦。
先に当てて勝ってしまいましたという感じですかね。
まあヘビー級ですから。

<世界ヘビー級タイトルマッチ15回戦 ジョー・フレージャー vs.ジェリー・クォーリー/1974-6-17/米国ニューヨーク>

力はあるのに何故タイトルを取れなかったのか?
同タイプのジョー・フレージャーとの試合を観るとなんとなくわかる気がします。
ファイターとしての完成度、ボクシングセンスに差があるんですね。
二人に共通した戦略テーマは「左フックをどうやって当てるか?」
リードブローやボディワークを効果的に使い左を振るためのベストタイミングとアングルを探るボクシングが身に付いているフレージャーとパンチングパワーでこそ退けをとらないながら戦術的な緻密さに欠けるクォーリー。
結果、フレージャーの2戦2勝。

ヘビー級の歴史の中ではフレージャーやアリの引き立て役だったのかもしれませんが、クォーリーが強かったからこそ二人が輝いたとも言えるのではないでしょうか。


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