メーカーのカタログやプロモーションにはあまり謳われていない要素だが、使い手によっては重要なのではないかなと。
まあほとんどのカタログモデルが一定水準以上の感度を備えているのでわざわざアピールしないということなのかもしれないが。
ロッドを替えて気付いたことなのだが、高感度のロッドはアングラーの視野を変えてくれる。
より精密なプラグの操作性を求めて入手したRZS51LL-BCだったが、副産物的に手に入れたメリットが高感度だった。
それも図抜けたレベルの。
僕は長年ソルトウォーターの釣りばかりをやってきたので一概に比較できないのではあるが、こと感度に関しては過去使用してきたロッドの中で一番である。
それもダントツで。
あまり感度なんて意識したことなかったし、僕の釣りにとっては重要な要素ではなかったのだけど。
“超高感度ブランクスがもたらす別次元の渓魚釣り”
僕がメーカーのプロモーション担当だったらそんなキャッチコピーを添えるかな。
それは決して大げさな表現ではないと使った人は気づくはずだ。
水中からのインフォメーションの量が増えるメリットは言わずもがなだが、着水からピックアップまでの時間的間隔が短い渓流釣りでは瞬間的に感じられることが重要だ。
着水してプラグが水掴みした時点から水中モニターのスイッチが入るイメージ。
取り回し的に使い勝手が悪いことを承知で小渓流でも使いたくなる。
小場所ではバラしやすいんだけどね。
スキルでカバーできるレベルではないほどに。
まあ我慢できなくなったらグラスロッドを使えば良い。
評価しているのかダメ出ししているのかというと勿論評価している。
キャストもしやすい。
手首の小さな動作で弾速つけやすく飛距離も出る。
渓流の場合遠投することはないので、精々20m投げれば十分なのだけど、最後のひと伸びが結構大事で、狙ったピンに入るか、その30cm手前で失速して着水してしまうかでは釣果に雲泥の差がでる。
つまり30cm手前で落ちずに済むよという意味。
弾速が出るから急激な失速がなく距離感が狂いにくいのだ。
ライナーでスバっとピンに打ち込める。
着水に気を使う場合は多少テンプラ気味にすれば良い。
最後にひとつだけ気に入らない点を。
リールシートだ。
渓流ロッド全般的なことだかルックス重視のためウッド製のリールシートを採用しているが、実用上何のメリットもない。
いや寧ろデメリットになっている。
折角の高感度をいくらかスポイルしてしまっているのだ。
だって木だよ。一番振動伝達の悪い素材だ。
デザイン的に渓流釣り師にそっぽ向かれる可能性はあるが、ブランクタッチにしないと。
このロッドのリールシートをブランクタッチタイプにしたら、トンデモナイ感度のロッドになるだろう。
まあ感度を重視する渓流釣り師はあまりいないのかもしれないが。
僕だってつい最近まで意識していなかったもの。
デフォルトのままでも十分過ぎるほど高感度なので当分我慢するが、いずれグリップ改造するかもしれない。
良いコルク使っているから破壊するのを今は躊躇しているだけだ。
支流ラリー8週目のウィークデー釣行分。
2週間前に初釣行した本流中流部に流入する支流に追試に行った。
長雨による増水はそれほどでもなかったが、濁りが酷くコンディションは悪かった。
案の定釣り開始からしばらく川からの反応は皆無だった。
というか濁っていて水中がほとんど見えないので追ってきているのかどうかすらわからない。
川底が見えないから遡行するのがこわかった。
退渓直前に上の写真の良さげなロケーションに遭遇 し、
「ここで出なかったら諦めて帰ろう。」
得てしてこういうシチュエーションで魚が出るものだが、やっぱり出た。
チビだけど嬉しかった。貴重な1匹。
これで追試はクリアだ。
サイズは前回出ていたから。
ただこの支流にはまた来るかもしれない。
前回デカい魚影を確認していて、目視で40cm前後ありそうだった。
プラグを追ってきて食わずに反転されてしまったのだが、目の前で見てその魚の大きさにちょっと驚いた。
「遡上マス?」
ニジマスではないと直ぐにわかった。
アマゴってそこまでデカくなるのかしら。
ミステリアスで興味を引いたという経緯がある。
まあ同じポイントで狙って釣れると考えるほど単細胞ではないが気になっているのは確か。
釣りには現実的なことばかりではなくロマンも必要だからね。
時間がまだ少しあったのでクリアできていない別支流に行った。
ただ増水のため立ち込める場所がほとんどなく唯一エントリーできそうな橋脚下のポイントでチビが釣れた。
その後プラグを48ダイブにチェンジしてジャーク&ドリフトで探っていたら、デカい魚影がギラッと現れて物凄いスピードで食ってきたのだが掛かりが浅くてすぐバレた。
悔しいな。
久々の良型だったのにちゃんとフッキングできなかった。
油断しているときに限って大きいのが食ってきやがる。
週末はまたまた雨で増水し釣りするのは難しかった。
それでも一応現場には行ったのだが、無理と即断できるレベルの状況。
消防団待機水位まで達したのだから釣りどころではない。
そして月曜日、午後の仕事がポッカリ開いて急に時間が出来たため川に行ってみたらなんとか釣りできそう。
なんとかね。
釣れそうかなんて気にしない。
現場に行くことが重要なんだ。
ただやはり濁りが酷い。
それでもチビがポツポツ釣れてくれる。
上写真の二又合流点の緩流帯で出た子がこの日最大で18cmくらい。
結局20cm以上は出ず再度の追試決定。
今後は増水などのコンディションに関わらず渋い釣果ばかりだろう。
残り5河川だがどこも魚影は薄いからね。
腕試し(修行か?)的な釣行になりそうだが、魚はもう十分釣ったし、数よりトピックになるようなサイズが出ればシーズンを良い形で締めくくれるだろう。