ショートレビュー ベタビエフ-ヤード

 

Saturday 28, January 2023 

Wembley Arena, Wembley, London, United Kingdom

commission British Boxing Board of Control

promoter Frank Warren

matchmaker Steve Furness United Kingdom BT Sport 

 

マッチアップ:★★★

スリル:★★★★

スキル:★★★

インパクト:★★★★

 

さて、ベタビエフ。

実に僕好みのファイターということもあり珍しくレビューを書く気になった。

ボクシングネタは時間が掛かるので暫く避けていたのだが試合内容も良かったしね。

ということでサクッといきます。

老けた風貌通りの38歳という年齢が気にはなるが、まあアーチー・ムーアだってタイトルホルダーになった時39歳だったし技術的にとてもしっかりしている上に際立った強みもあるので不惑になってもトップレベルでやれそうな気がする。

同じロシア人ライトヘビーウェイトのコバレフも好きだったが、このベタビエフも好きだわ。

ロシアからは上記のようなボクオタごころを擽るファイターがポツポツ出てくる。

コバレフは強みと脆さが同居していたが、今の所ベタビエフから危うさを感じることはないかな。

打たれ弱く無さそうだからね。

ライトなファンは「打たれたらダメだろ」って思うだろう。

否、別に打たれてもいいのだ。

攻勢(ペース)を取られなければ良いのであって、動きを止められるようなダメージを負わなければ良いのであって、後で倍返ししてやれば良い。

攻勢劣勢のコントラストを自分有利に描ければそれで良く、多少の被弾を気にしてはいけない。

一定レベル以上のディフェンススキルを発揮していても、オフェンス意識が高い限りある程度被弾するものだ。

だから打たれ方が重要だ。

頑強な体で受け止めてしまうか、柔軟に力を逃すクッション力を利用するかだが、

理想は両方を兼ね備えるのが良い。

若い頃のデュランがそんな感じだったと思う。

ベタベエフもだいぶ近いレベルではないだろうか。

まるで糊付けされたように顎引いているでしょ。常に。

それと同時にコンタクトされても力をモロに受けないようにアングル調整(小さなボディワーク)を瞬時に行なっている。

だから打たれる瞬間のディフェンスリアクションとオフェンス発動のタイミングギャップが限りなくゼロなんだ。

そのために攻守の連動性が図れているし結果的にフルラウンドファイトせずに終わらせることができている。

要は相手の引き付け方が巧みと言える。

パンチはある方だと思うが際立ったハードヒッターというわけでない。

レコードから想像する腕っ節自慢ではないがプロモーション的に分かり易い倒し屋イメージを纏った方が良いだろうけど。

この試合、敗者のヤーデも良いファイターなので噛み合った見応えのある内容でした。

まあヤーデとしては相手が悪かったと思った方が。

タイトルホルダーになる地力は多分あると思う。

コバレフ、ベタビエフにわずかに力及ばすだったが地力の差はそれほどないよ。

精進すれば3度目のチャンスがあるだろうからその時はきっと。

昔メジャータイトルマッチでデュランとセルバンテスにガツンと叩かれた後に3度目の正直でガッツ・石松からタイトルを奪ったエステバン・デ・ヘススのようになれれば良いね。