Date: 2016-12-10
Where: USC Galen Center, Los Angeles, California, USA
Division: light middleweight (154 lbs, 69.9 kg)
Title: IBF World super welterweight title
Result: Jermall Charlo def. Julian Williams (TKO, round 5)
マッチアップ:★★
スリル:★★★
スキル:★★
印象度:★★
4ラウンドまでのスコアは、ジャッジ3者とも38-37でチャーロ。
ウィリアムスが2ラウンド取っている。
ダウンを1回奪っているしペースは明らかにチャーロが取っていた。
ワンサイドと言えなくもない内容。
にもかかわらずポイントを取られた理由は、この試合のチャーロのボクシングが雑だからだ。
よくジャブが出る正攻法なボクシングのウィリアムスにポイントが行った理由はわかる気がする。
チャーロはまるでフェリックス・トリニダード気取りのボクシングをやっていた。
ただしトリニダードのようにはオフェンスで相手を圧倒できていない。
もし5ラウンドの右アッパーが決まっていなかったら、クロスファイトになった可能性がある。
オフェンシブにファイトすること=ボクシングが雑になる ではダメだ。
こんな感じの戦い方を今後もするようなら、天狗の鼻をへし折られるのも時間の問題だろう。
僕はこういう試合をプロモーションファイトとは言わない。
何故なら彼の実力をわかりやすくアピールできたとは思えないからだ。
勝利後のリング上での所作も感心しない。
双子の片割れもリングに入ってきて暴れていたがプロレスじゃないんだから。
間違いなく好感度は落ちたな。
と、苦言ばかりではなんなので良いことも書く。
先ず、チャーロの体の強さはスーパーウィルターウェイトでは抜きん出ている。
だからこんな雑なボクシングで相手を捩伏せる事ができる。
体幹が強く、体軸がまったくぶれずに必要なアクションできるのでパンチのコンタクトパワーがマッチアップ相手とは桁違いなのだ。
序盤にジャブでダウンを奪うシーン、
ジャブはカウンターで決まると結構ダウンを取れるのだが、あくまでタイミングばっちりの時だけ。
チャーロのジャブにはプラス、コンタクトパワーを感じる。
フィニッシュにつながった右アッパー、
あんなパンチでは普通効かないのだが、ウィリアムスはフラフラになっていた。
パンチがあるというより、体に力があるという印象だ。
体格も良いし、ミドルウェイトでも十分やっていけると思うが、その場合、相対的に相手の体力が増すのでボクシングの質を改善する必要はあると思うけどね。