Date: 2014-10-18
Where: StubHub Center, Carson, California, USA
Division: featherweight (126 lbs, 57.2 kg)
Title: WBA Super World featherweight title
Nonito Donaire 33-2-0 (21KO)
vs
Nicolas Walters 24-0-0 (20KO)
Result: Nicholas Walters def. Nonito Donaire (TKO at 2:59, round 6)
さて、観戦してから暫く時間が経ちましたがドネア-ウォータースの感想を。
この試合を僕の中でどう位置づけようか考えていたから今になってしまった次第。
単にウォータースの方がドネアよりも強かったで片付けたくなかった。
試合の流れを決めた最大のポイントはファーストラウンドのドネアのスリップダウンだったと思います。
レフェリーの不適切な対応によりダウンになりませんでしたけど、明らかなダウンです。
ダメージもね、あったと思います。
しかもカウントが入らなかった分ドネアは休めなかった。
そして3ラウンドに今度はアッパーでダウンを追加されました。これは不意を突かれたわけではなく最初のダウンの延長線上にあるもので、必然性のあるパンチの食い方。
ダメージの抜けない状態での無我夢中のオフェンスはリスキーなんです。
それとウォータースの精神面での優位。つまりウォータースペースだったということ。
ドネアのような実力者でも試合の序盤で一発もらうとなかなかペースを挽回するのが難しい。
劣勢を挽回しようとするからパンチを強く振ろうとラフになりがちですし。
さらに拙いことにウォータースが体格面でアドバンテージを持つストレートパンチャーだということ。
まあジャブ、ワンツー主体の基本に忠実なオフェンスですよね。ウォータースは。オーソドックスというか。
ドネアはこのタイプがやや苦手。
ウィルフレド・バスケスJrに苦戦したでしょ。あの試合もストレートパンチ主体のバスケスになかなか突破口が見いだせないドネアがいました。
ワンパンチフィニッシャー故、オフェンス面での隙間の多さが仇になるパターンなのではないでしょうか。
コンビネーションで崩しにかからないから。以外と組立がないんですよ。
という感じでドネアの敗因はいろいろあるのですが、もし初回のダウン(スリップですが)がなければかなり違った試合展開になったように思うのですがどうでしょう。
名前のある実力者同士のマッチアップで初回のダウンが決定要素になった試合として思い浮かぶのは、
サルバドール・サンチェス-ウィルフレド・ゴメス
アーロン・プライヤー-アレクシス・アルゲリョ第2戦
最近の試合では、
ミゲール・コット-セルヒオ・マルティネス
などですかね。
ドネア-ウォータースも僕の中では同じカテゴリーに入れるつもり。
逆に初回にバタバタ倒されたにもかかわらず、その後挽回してクロスゲームに持っていった例として真っ先に思い浮かぶのは、
マルケスとドネアを比較すると、いろいろ見えてくるような気がしませんか?
スタイルとか戦術的な部分で。
優劣の話ではないんですけどね。
もし初回のゴメスのダウンがなかったら、果たしてサンチェスは勝てたでしょうか?
確かにこの試合のサンチェスは動きがキレていて絶好調に見えます。
ただそれはペースを完全にとっていて自信を持って戦っているからこそ。
試合当時、実力的にはゴメスの方がやや上だったように思いますけどね。僕は。
まあいろいろな見方があるのがボクシングです。
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