連休は四日間とも釣行した。
僕のホームは超観光地なのでマイカーでの行楽客でごったがえすことを予想し、ちょっとだけ足を伸ばして新規の川で探索がてら遊んだ。
遊魚料の負担や移動に費やす時間と労力が無駄に思えるから基本的にホーム以外で釣りしないのだけど、たまに浮気したくなることもある。
渓流釣りは時合いがないし(あると言う人もいるだろうが海釣りをしている者からすれば無視できるレベル)ポイントは無数にあるし、初めての現場でも普通に釣りになる。
だから遠征のハードルは低い。
その川独自の遡行リスクや入退渓のポイントは知っておいた方が良いとは思うが。
一般的な(漁協管理下の)遊魚河川であればガイドは必要ないんじゃないかな。
逆にガイドされるとありがた迷惑な気がする。
遠征先でもいつもとやることいっしょ。
問題は魚が居るかどうかだけ。
源流に近いエリアを選んだのだが観光道路から直アクセス可能かつエントリーがかなり楽だったので嫌な予感はした。
渓相はとても良く雰囲気は抜群だった。
普通に釣れてもおかしくない感じだったがまったく魚影がない。
入渓から1時間遡行してもバイトどころか追いすらなし。
「川のチョイスを間違えたか?」
そう思い始めた頃にようやく。
ちょっと竿抜け的なエリアで食ってきた。
この時点で薄々感づいていた。
先行者が居ることに。
足跡が確認できたわけではない。
石の上が濡れてもいない。
でもこの魚っ気が無い原因は他に考えられない。
そして予感通り上流に釣り師のシルエットを確認したので追いついて声を掛けた。
4時半にエントリーしたんだとさ。
ジモティのベテランエサ師なのでいろいろ諦めた。
釣りまくった魚は当然お持ち帰りで近所に配って歩くのだとか、41cmのイワナを釣った話(僕のリアクションを期待していたようだが無視したのでご機嫌を損ねた)だとか、何処そこの現場に行ったら良いよアドバイスとか、なんか話が止まらない。
めんどくさいヤツに声かけちまったなと後悔し立ち去ろうとしたら、いっしょにやろうと誘われた。
当然お断り。
エサ釣りとはペースが合わないし、どうせ別れた後上流に入られることを警戒しているだけだろう。
「もう退渓して他所行くんで。」
「だったら、◯◯に行ったら良いよ。ここよりいっぱい釣れるから。」
そこは今台風災害工事中で濁りが出ていて釣れないことを知っている。
「はいはい。参考にしま〜す。」
やれやれ2時間も無駄にしてしまった。
初めての川の探索を楽しみにしていただけに後ろ髪引かれたが現場を変えることに。
ホームリバー源流域に移動し残り時間一杯遡行したがあまり良い釣りはできなかった。
午前中入った初めての川に気が残っていたからね。
ポツポツと釣ってなんとか気が紛れたので初日は終了。
まあ連休中なので人災はある程度覚悟せねば 。
翌日は本流筋の名もなき支流に入った。
ただ早起きできず、現場に入ったのが9時と痛恨の出遅れ。
この日はテンカラでなんとか釣りたくていつもより多く延べ竿を振ったが結局ダメだった。
毛バリが渓魚に無視されるのはどして?
何か根本的に間違えているのかしら?
ボウズになりたくないという理由だけでルアーを使った。
いろいろと上手くいかない日だったな。
以前一度だけ毛バリでヒットさせたエリアで2匹目のドジョウを狙ったのだが。
ワサビ農家に意地悪され(連中は釣り師を極端に嫌っている)汚水を流し込まれてポイントが潰れた。
僕ががっかりしている様を遠目に確認していたから悪意を持ってやっているに違いない。
元はと言えば心無い釣り師がワサビ田に入っていたずらしたことで連中に目をつけられたのが原因。
どこかのバカが吐いた毒が怨嗟を生んだのだ。
今更釣り師に対する悪感情を取り除くことはできまい。
漁協にも農家から相当数クレームが入っていると聞いている。
3日目は前々日に先行者が居て途中で遡行を諦めた川に行った。
そして魚影はそれなりに濃い川であることを知った。
が、スレていてまったく食わない。
人が入れ替わり立ち替わりなんだろう。
ホームでは考えられないほど魚がナーバスというか人馴れしているというか。
ルアー追ってくるどころか逃げちゃうのだからどうにもならない。
ルアーを見て逃げるって相当だよね。
たまに居るスレていない個体をポツポツ釣ったがあまり面白くなかった。
渓相の良さとアクセスの良さが人を集めるのだろう。
先日のエサ釣り師が 4時半(まだ暗いぜ)に入渓した理由が分かる気がする。
ただアブが多いので盛夏の頃は人が減る可能性はある。
かなり煩く周囲を飛び回り頻繁に集られるので気にする人にとっては苦行だろうから。
鹿を沢山目にした。
ホームにはもっと多く鹿はいるが、警戒心が強く人前にはほとんど姿を見せない。
遠目に確認できる程度で、それすら警戒音を発して逃げ去る。
ここの鹿はかなり人の近くまで出てくる。
魚だけでなく鹿まで人馴れしているようだ。
この川、魚はそこそこ居るし雰囲気あるし悪くないんだけどな。
漁期がホームより1ヶ月長いので秋にまた来るかも。
スレきった魚ばかり相手にしていると興を削がれるのでタイミングを考えたい。
連休最終日は本流の上流域に入った。
広々としたロケーションでミノーを投げまくりたかったのだが。
酷い減水で以前来た時とは別の川のよう。
アワせそこない、掛けそこないで何度か良さげな魚をミスった後ようやく。
瀬でのアスリート55S FHでの釣りはやはり面白い。
あんまり釣れなくてもね。
それにしても酷かった。
水位が極端に低いとせっかくのロケーションも台無し。
目処にしていた場所まで遡行したので一旦退渓し車に戻ることにした。
車道を下っている途中ふと目についた本流への流れ込み。
一応支流だが名前を知らなかった。
川に降りて上流を眺めると堰堤が見えた。
こんなチョロ川に堰堤?
気になって堰堤を高巻きすると、上流側は意外と水量がある。
一応探ってみるか。
今までもチョロ川の魚影に驚かされてきたし。
そして魚は普通に居ることがわかった。
もう昼だったので車に戻って昼食を取ってから再チャレンジすることに。
夏だからなのか雰囲気はジャングルだな。
林の中を川が流れている感じ。
まあ人は入らないだろうな。
入渓時の崖降りは結構キツイし。
この滝を高巻きするのが大変そうだったので一旦退渓し山の中から再度エントリーすることにした。
上流にはワサビ田があるのには驚いた。
そして集落もある。
湧き水の流れ込みが多く水量は上流でも思いのほかある。
流れ込みの関係で本流のように減水しないので魚の活性もピーカンのわりに低くない。
一旦人が入ったら暫く回復しないだろうが魚影は中々だ。
蜘蛛の巣とアブのネガティブトッピング大盛りだがまあまあ楽しめる川でした。
しかしこういう名も無きチョロ川支流で釣りまくった後にわずかに罪悪感を感じるのって何なん?