禁漁前最後の早川水系釣行してきた。
現場は、やり残している感が強かった黒桂河内川の中流域。
前回はまともに下流域から遡行したため探索距離を稼げずに撤退を余儀なくされた。
堰堤の高巻きが怖かったこともあり再チャレンジを見送っていたのだが、来シーズンに持ち越すのも何だなと思い気持ちを奮い立たせて挑んだ次第。
事故のリスクも高いが、それ以上に遡行労力が他の現場とは比較にならないほど大きいのも気が重くなる要因だった。
とにかく疲れるのだ。
巨岩ゴーロ帯を抜けるのが。
で、同じことを繰り返すとまた中途半端に止める羽目になるので中下流部を端折ることにした。
野鳥公園を河原側から迂回し川沿いを少し歩くと最初の堰堤がある。
ここは堰堤の上と下に梯子がかけてあるので楽に巻ける。
堰堤の上に出たらしばらく河原を歩く。
当然釣りはしない。
タックルは手に持たずザックに入れたまま両手を自由にしておかないとこの後の崖上りに対応できないのだ。
やがて左岸側に凄まじい大崩落痕が視界に入ってくる。
こいつのおかげで林道が寸断されてしまっている。
ただこの少し先からまた林道は復活するのでそれを利用させてもらう。
まあ知っている人は知っているルートだが、崖上り(そして帰りの崖下り)がちょいキツい。
大崩落あとの少し上の2段堰堤を左岸側から巻く。
そして堰堤の上に出ても川に下りずに急斜面の崖を僅かな踏み跡を頼りにひたすら登っていく。
ルートファインディングが覚束ない人、準備が不十分な人(山行の基本すら知らないとか崖なんて登ったことがなく舐めたマインドセットで何とかなるべと楽観的な人)運動不足を自覚している人は止めるべきだろう。
僕はガイドする気はさらさら無く、忠告をしたいだけだ。
崖上りは約100mほどある。
距離も長いし急斜面だし、落石の危険もあるし、滑落したら重傷以上間違いなし。
途中から踏み跡が無くなるのでそこからは自力でルートファインディングしなければならない。
幸い手をかけることができる出岩や木の幹や根が多く、急斜の割には怖さはなかった。
下は見ないことだ(笑
崖に這いつくばりながら登っていくとやがて林道に出る。
懸念していたヤマビルはどうやら居なかったようだ。
心配だったので対策をしていたからくっ付かれなかっただけかもしれないが。
林道を寸断した大崩落箇所はこんな。
怖くて下見れなかった(僕は高所恐怖症)
そして落石だらけの林道を登っていく。
もう道としての体裁はなくとっても歩きにくい。
所々に熊の糞があるのも嫌だ。
熊が活動する早朝とかあまり歩きたくない場所ではある。
熊もこの道を利用しているのだろうなと歩きながら思った。
道が土砂で埋まっている箇所もある。
ただ踏み跡があるので人(山行、沢登り、釣りで)が入っていることは確認できる。
まあ一定レベル以上の経験スキル体力がある人にとってはあの程度の崖上りは大したことはないのだろう。

林道の終点付近。
ここからは東電の管理道路?というか臨時通路のような崖を削っただけの山道になる。
しばらく歩いてみたが、崖の崩落で道が無くなっている箇所で嫌になり引き返した。
その先に取水堰堤があるのだが今回は行くのを見合わせた。
山道がやばいからではなく、時間的に釣りできなくなってしまうから。
既に9時を過ぎていたのだ。
2時30分には釣りを止めて下山しないといけないし、遡行に時間のかかる渓だと知っているので早く釣りを始めたかった。
管理道路を引き返し林道の終点から入渓することにした。
入渓地点に良い感じの釜が連続していたのでそこから釣りスタート。
1投目から5匹くらいのアマゴがルアーを追ってきた。
「おお!魚居るじゃん。」
どうやら釣れそうだなと楽観的な気分に浸っていると、
釜の中で反転流が出ている箇所に丸太のようなものが動いているのが視界に入った。
まさか魚とは思わず(大き過ぎ)ゴミだと思ったのだが、40cmは優に超えている物体がアマゴだとわかった時は衝撃を受けた。
見た目はサケ(笑
背が鶯色で口が曲がっているのだからサケにしか見えない。
「うわっ!アマゴってこんなにデカくなるのか?」
すぐ隣に尺近いアマゴが並んで泳いでいたが、相撲取りと幼稚園児くらいのサイズの差がある。
「この魚を掛けても獲れるだろうか?」
そんな余計な心配をするほどのサイズ感に圧倒された。
いや本当大袈裟ではなく、46〜48cmくらいに見えた。
流れの緩い透明度の高いプール内で水面近くを泳ぐ個体をタレックスの偏光かけて1分くらい見ていたのだから目の錯覚では無い。
結局、ルアー投げなかった。
獲れる獲れないに関係なく、釣ってはいけない気がしたのだ。
老成した個体であり寿命が尽きるのもあと僅かであろう。
良いものを見たと思い、敬意を表して拝むだけにした。
僕ごときが釣ってはいけない神々しさがあったのは確かだ。
渓の主を釣っても良いのは釣りキチ三平だけだ(笑
6寸くらいのアマゴがコンスタントに釣れた。
魚影はそこそこあり、そのため要所で足止めされるから遡行のペースはやはり遅かった。
早川水系アマゴの特徴であるパーマークぼんやり朱点が有るのか無いのかという個体が多かったが、時折背が黒い野生味のある個体が混じった。
良型も居るには居るのだが中々食ってこない。
ちょっとサイズが選びにくい状況だった。
微妙にスレている感じもあり、おそらく人が入っているのだろう。
前回の真夏のピーカンコンディションでの中下流部釣行時の方が食いが良かったのはスレて居なかったからだろう。
良型がバンバン食ってきたからね。
つまり崖登って林道利用して中下流部をパスして入渓する釣り師がそれなりにいるということだ。
それがわかってちょっとガッカリ。
この子が7寸くらい。
今日はこれぐらいがサイズ的な限界かなと思いながら遡行していたが、ある時点から戦術を変えて竿抜け狙いにシフトした。
魚影が濃いので素朴な釣りをしていたが、それではダメだと気付いたのだ。
一般的な良ポイントはどうせ叩かれているので、竿抜けを探そう。
マインドセットを切り替えて狙いをちょっと外してみた。
こういう誰もが集中的に狙うポイントは捨てた。
どうせチビしか釣れないと割り切る。
すると数は減ったがアベレージサイズが上がってきた。
7寸未満は釣れなくなった。
渓相は良くて大場所も次々に現れるのだが、単純に攻めずに竿抜けを探り続ける。
例えばこの落ち込み。
誰もが狙う溜まりの中ではなく、その上の連続小滝の中の反転流を狙った。
すると良型がもんどり打ってバギースピナーを食ってきた。
ほぼ落パクだが、バギースピナーならではの瞬間スイッチ入れ効果によるものだ。
着水して沈下している際のほんの一瞬のテンション入れがバイトに導くのだ。
30cmエリアでの誘いは他のルアーではできない。(スプーンなら可能かも)
だから小滝の反転流のような僅かなスペースで効果的に誘える。
お気づきだろうが、最近のザック装備釣行時にネットは持参していない。
単純に高巻き時に邪魔で危ないからである。
無くても大して不便しない。
デメは精々写真撮りにくいことと魚が大きく見えないことぐらいだろう。
フックはむしろネットが無いほうが外しやすいし、魚体へのダメージもネットがあるから軽減できるとも思えない。
山岳渓流ではネット要らない。
個人の考えなので不参考にしてください。
2匹目の良型が出たので下山することにした。
退渓できないので沢沿いを戻るだけだが。
やはり今回も遡行のペースが遅くて予定していた場所までは到達できなかった。
戻る途中でランチしたがブヨに纏わりつかれて参った。
アブはもう居なかったが、ブヨが沢山居た。
じっとしていると手とか顔とか露出している箇所を狙って止まろうとするので厄介だ。

結局上流域にすら辿り着けなかった。
この渓の全体を把握するのは沢登りでもしない限り無理だ。
ベテラン沢屋でも源流まで行くのに終日(10時間とか)かかるようだしね。

それともう一つ僕を苦しめたのが滑りやすい岩である。
上写真の茶色の箇所。
薄く苔が付着しているのだが、この部分がツルッツルに滑るのだ。
ラバー底の沢靴では全く対応できず、まともに川の中を歩けなかった。
フェルト底でも滑ったかもしれない。
あまりにも滑るので手で岩を掴もうとしたら滑って掴めないのには呆れた。
何とか転倒落水しなかったが、茶色の岩には本当に参った。

入渓地点まで戻ったが、時間に少し余裕があったので下流側の様子を見てみた。
すると良い感じの瀬があったので時間いっぱい瀬釣りを楽しんだ。

やっぱり瀬釣りは楽しいわ。
考えながら釣りできるのが良い。
幾つもある選択肢の中から優先順位をつけて探るときっと最適解が見つかる。
ミスバイトも少ないのでストレスを感じない。
3匹目の良型を追加して今シーズンの早川水系の釣りを終了し納竿した。
10月に入っても渓魚釣りのできる現場はあるが渓魚が産卵期に入るのでモチベーション的には少しネガティブだ。
そいえば6月以降ホームリバーで釣りしていない。




















