雨子

 

 

先週末は早川水系のアマゴ沢に釣行してきた。

連休中は現地車中泊して連荘釣行を計画していたが、遡行中の雨によるダメージにより体調悪化(腰痛がぶり返した)したため已む無く帰宅してこれを書いている。

WC決勝と3位決定戦を観たかったしね。

そう、雨降りの中での遡行だった。

予報では、朝方のみ少量の雨が降るというインフォメーションだったが、実際は退渓も視野に入れるほどの雨量だった。

6時に駐車場をスタートした際にはパラパラ程度だったが、30分後には本降りとなった。

駐車場には先着車が4台。

同時に支度を始めたジモティフライアングラーは僕が入ろうとしていた支流ではなく早川本流に行った。

賢明かもしれない。

雨降りだし、一発が期待できる合流点周辺を狙うのは分かっているアングラーのやり方である。

先行者が複数居ることが確定しているのだからわざわざ競合する必要もない。

僕がすっ飛ばした下流域にはルアーアングラーが2人いた。

ビギナーっぽいので下流域でチョコチョコやるだけだろう。

入渓はせず河原を歩き続け、要所の2段堰堤を高巻きしてそのまま廃道化した林道への崖登りしている途中で二人組のテン泊装備テンカラ師を追い抜いた。

入渓場所を訊ねると、僕と被らないことが分かった。

お互い遡行エリアの確認、コンセンサスを得て別れた。

こうすれば釣り人同士不要なストレスや猜疑心を与えなくて済む。

現場でのこういったコミュニケーションは大事だ。

釣果自慢とかくだらないことをしなければね。

 

 

駐車場を出て2時間後ようやく入渓。

まあ中流域なんだけど、この川には珍しい瀬があることと渓相がヤバくない(巨岩ゴーロ帯がダイナミック過ぎない)ので落ち着いて釣りができるため個人的に気に入っているエリアなのだ。

巨大な堰堤の前後700m程度の遡行距離だが、じっくり腰を据えてポイントと向き合えるのも良い。

魚影の関係で700mの移動だが時間は7時間かかる。

途中で追い越したテンカラ師はここより1.5kmくらい上流に位置する堰堤で入渓すると言っていた。

そこにテン場を設けて上流域を目指すのだろうが、魚影はそんなに濃くないはず。

釣果の期待値という点だけで比較すれば魅力はやや薄いのである。

ただ釣りの楽しみ方は人によって違うのでどっちが良い悪いではない。

僕はアマゴ釣りそのものを純粋に楽しみたいのでゴルジュや巨岩巻きの連続でまともに釣りにならない中流域以遠はあまり好きではないのだ。

一方で『山行+釣り』をセットで楽しみたい人もいるだろう。

 

 

入渓場所から少し下流に移動した瀬から釣り開始。

一投目で菅スプーンに飛びついてきた7寸。

まだ菅スプーンのポテンシャル確認中であり、信頼度をより上げていきたいと思っている。

現場の魚影の濃さから数釣りを期待してカウンターを本日も持参。

 

 

雨のおかげでアマゴ達の活性は高かった。

菅スプーンに激しく襲いかかるという感じであった。

「この状況ならトップに出るかも。」

が、止めた。

予定通り菅スプーンのみで行こう。

単一ルアーでアマゴ相手に数をどこまで伸ばせるか?

本日のテーマを定め、検証に徹することにした。

 

 

瀬では投げればヒットするという感じだった。

当然のように瀬に付いていたからクロスワードパズルは難しくなかったのだ。

 

 

30分もかからずにつ抜けた。

ただサイズは判で押したように7寸ばかり。

チビが居ないだけマシだが。

瀬釣りの基本はポイント(フルキャストして届くギリのエリア)の手前からアプローチを開始して徐々に着水点を広げていく。

立ち位置は絶対に変えない。

投げづらくてもだ。

それは、ポイントの魚影にルアーの存在を認識させて、集魚要素をコントロールして活性を人為的に計算して(段取りして)高めていくための必須事項だから。

立ち位置を変えると、違和感が出てしまい反応が止まる。

そもそも水深の浅い瀬では人影の移動が警戒心を呼び起こしやすい。

人が立ち位置を変えなければ(動かなければ)案外渓魚は近くに居ても警戒しない。

瀬は人影を隠せる障害物(岩)が無いから、位置を定めたら動かないことが肝要だ。

こういう基本的なことが解らずにキャストしやすいよう瀬で動き回る人を見かけるが、あれでは釣れない。

 


「こんなに魚が居るのか?」

タイニースポットで連続ヒットしたため流石に驚きが隠せなかった。

そう、釣り師が思っている以上にポイントに魚は居るのだ。

活性の高低で認識できる数は、それこそ桁違いになる。

「何キロも遡行する必要ないな。魚影の濃い要所をきっちり攻めて数出す方が効果的かつ合理的だ。」

特に今日のようなコンディション(雨降り)の時には。

 

 

カウンターの数字が伸びるにつれて8寸が混ざるようになった。

7寸ばかりだったので妙に大きく見える。

7寸と8寸の個体差(体格差)は大きい。

8寸と9寸はそこまで大きな違いを感じないが。

 

 

ランディングネットを使わなくなって久しい。

無駄な装備とは言わないが、無くても全然困らない。

一方、高活性時にはフックが飲まれている時があるからフォーセップの重要性は高く必須だと思う。

 

 

瀬が終わってゴーロ帯に入ると8寸個体の出現率が高くなった。

一つの大釜で3〜4本釣れる。

「何故スレない?」

菅スプーンはバギースピナーよりスレ難いようだ。

ざっくりだが、

集魚力

バギースピナー > 菅スプーン

スレ難くさ

菅スプーン > バギースピナー

強みが違う点は使い分けの根拠になりそうだ。

タイトなスポットでのピンポイント一本釣り(提灯釣り)ではバギースピナーの方が使い勝手が良く、

瀬や大釜など広い範囲をじっくり攻める時は菅スプーンがマッチする。

今の所色分けできてキャラが被らないが、使い込んで境界線を曖昧にしようと思っている。

キャラの濃いバギースピナーでさえ汎用性を持たせることができるようなったからね。

菅スプーンにも同様の使い勝手を見出しつつある。

もうあと300本くらい魚を掛ければ見えてくるものが違ってくるはずだ。

 

 

それにしても雨足が弱まらない。

携帯のレインジャケットを着ているが用足りずびしょ濡れになったため寒さも感じてきた。

気温もやや低かった。

「やべ、風邪引きそう。」

良いレインウェア買おうかな。

モンベルのアレとか。

そんなことを考えながらの雨中行軍。

 

 

この連続小滝の上に行くためには右岸の崖をへつらなくてはならないのだが、

雨で岩が濡れて滑るのである。

こんな感じの地形が続くので遡行し難かった。

だから短距離でも時間がかかる。

 

 

釜で釣れる個体は相対的にサイズが良かった。

8寸が普通に出る。

 

 

釜の中でのルアーの追い方がアマゴとイワナではずいぶん違う。

単純に追尾してくるイワナに大して、アマゴは全ての個体ではないがジグザグにスライドしながらルアーとの距離を詰めてくる。

バイトの瞬間も違っていて、単純にガブって食いつくイワナに大して、

アマゴはかっさらうような、ひったくるような動きの速い(運動量の多い)反転食いをする。

アマゴのスライド食いは何となく認識はしていたが、数釣りができるとより多くはっきり観察ができるため、

ロックオンしてからバイトするまでの一連の行動が鮮明になった。

 

 

数釣りできたこともあるが、遡行があまりにもスローペースなため予定していた地点まで行くことは止めて一旦入渓点に戻りランチタイムにした。

小一時間ゆっくりとランチをしながら寛ぎ、雨で濡れた体を温めた。

 

 

カウンターの数字も40を超えていたので午後は惰性で下流側の大釜のみチェック。

 

 

サイズ的にはやや物足りなかったので9寸以上が出れば止めようと思いながらタイムアップするまで下流側に下りていった。

 

 

ただこの時期のアマゴは釜より瀬の方が断然釣りやすい。

そして釣り味もより良い。

釜で数釣ってもあんま満足感が得られないことも。

釣りが単純だからか。

 

 

この8寸が最後の釣果になった。

既に15時を過ぎており下山する時間を考えれば止め時だった。

カウンターの数字は49だが、あと1本釣る意味は特になく見切りを付けた。

夏の雨の影響でアマゴの活性が高かったが、ありがたくない生物の活性も高くて閉口したことも。

ヤマビルは居ないと思っていた渓だったが、予想外に沢山居やがった。

沢履に数匹引っ付いているのを引き剥がしつつ(どうせまた取り付かれるのだが)退渓し下山することにした。

 

 

早川水系にしては人工的な要素が少ない魅力的な渓だが遡行難易度は高い。

転倒や落石のリスクも相対的に高いので当然ヘルメットはした方が良い。

残念ながらヤマビルも居る。

めっちゃ多いという感じではなさそうだが、駐車場に戻って着替えをしていたら沢履やソックスやファイントラックのタイツにがっつり引っ付かれていた。

こいつらを残さず駆除しないと車内に入れたり下手したら家に持って帰ってしまうので実に厄介なのである。

家にヤマビルなんて想像するだけでゾッとする。

山行と違って渓流釣りの場合、徒渉の度に忌避剤による対策がいちいち無効になる。

先人たちはヤマビル対策どうしてるのだろう?

まさかあの気持ち悪い吸血生物シカトなわけないっすよね?