に初めて行ってきた。
随分前から覗きに行きたかったのだが、場所が茅ヶ崎ということで中途半端に遠いこともありそのためだけのタイミングが作れなかった。
片道2時間程度のドライブだったが正月休みの行楽客で箱根は結構な渋滞だった。
家から湘南方面へは箱根越え必須なのでスムーズに行くなら平日だが、なかなか時間がね。
帰りはターンパイク経由でショートカットしたので箱根新道の渋滞を回避できて多少マシだったが。
134号から少し入った住宅街の中にある小洒落た白亜の洋館という感じ。
古いには古いのだけど三角定規のような凝った造形なので周囲から浮いていて目立つ。
7、8台停めれる駐車場も建物のすぐ側にあり来館するのに不都合やストレスはなかった。
門構えは展示館というより普通の家にお邪魔する感覚にさせた。
海岸近くなのだがこの建物だけ高低差がある地盤の小さな丘の上にひっそりという趣だ。
建物の周りは散策道になっている。
門を入ると早速「悠々として急げ」の石碑がお出迎え。
独特のコピーセンスは時代を経ても陳腐にならないところが凄い。
短いワードにイマジネーションと情報を詰め込むのが本当に上手い。
長文より短文(コピー的な)で高い才能を発揮しているなというのが個人的な作家評。
稀代のコピーライターの名作がこんな感じで飾られているというか鎮座しているというか。
読ませる力を嫌でも感じてしまう。
館内は撮影禁止なので結局建物の外しか写真撮れなかった。
「茅ヶ崎ゆかりの人物館」が隣にある。
両方見る場合入場料300円。
記念館だけだと200円。
僕は両方入った。
茅ヶ崎ゆかりの人物館の外観。
こちらは比較的新しい建物で幾分公共性を感じた。
「ゆかり」と「出身」は違うと注釈はあったけどね。
ピストン堀口の名前に目がいったのは言うまでもない。
茅ヶ崎だったんだ。
東京だと思っていたが。
記念館のハイライトはやはり開高健の書斎。
一旦建物の外に出てからエントリーするのだが、うーんやはりダントツに濃い。
だからそこだけ長居した。
巨大な魚の剥製(キングサーモンやイトウやマスキーなど)が壁一面に飾られていて一種異様だった。
「こんな部屋で落ち着いて執筆できるのかな ?」
作家の執筆部屋というより趣味部屋のイメージだが、だからこそ見せる価値があるのだろう。
剥製、ルアーの一つ一つを目で追っていくと過去に読んだ開高作品のページが脳裏に蘇ってきた。
そう言う意味で濃い空間だなと。
撮影禁止なのでパンフの写真でイメージが伝われば。
滞在時間は1時間ほど。
午後早い時間帯だったが来館者は僕一人だけで逆に居づらく、若干後ろ髪を引かれながら帰路に着いた。