ワシル・ロマチェンコ vs.ゲーリー・ラッセルJr

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 Date: 2014-06-21

Where: StubHub Center, Carson, California, USA

Division: featherweight (126 lbs, 57.2 kg)

Title: vacant WBO featherweight title

Vasyl Lomachenko 1-1-0 (1KO)

 vs

Gary Russell Jr 24-0-0 (14KO)

Result:  Vasyl Lomachenko def. Gary Russell Jr (majority decision, 116-112, 114-114, 116-112)

 

 

高いスキルと圧倒的なスピードを持つサウスポー同士のマッチアップ。

噛み合わせという点では微妙でしたね。

それは結果的にロマチェンコの方に幸いしたのかなと。

ラッセルは空回り気味でしたから。

プロキャリア24戦のラッセルとわずか2戦のロマチェンコ、比較にならない差があるのですが、ロマチェンコの前戦の相手がオーランド・サリドだったことがキモ。

わずか一試合で一気に経験値を上げたんです。

高い授業料を払わされた甲斐があったなと。

ロマチェンコの最大の不安要素は12ラウンドという長丁場の経験不足です。

サリド戦でフルラウンド経験したことがラッセル戦で生きたのでは。

ハイエナジーを消費するスタイルのロマチェンコがフルラウンド目一杯は無理でしょう。

そんなにスタミナがあるようにも見えません。

打たれ疲れはないでしょうが、動き疲れを確実にしているはず。

あれだけ動き回ればね。

もし対戦相手がサリドとラッセルで逆だったら、

ラッセルにも負けていた可能性が高いのでは?

サリドに敗戦してもエクスキューズを聞いてもらえますが、ラッセル相手だとキャリアへのダメージがより大きい気がします。

そういう意味ではロマチェンコにとっては良かったように思いますね。

いろいろと。

キャリア初期にこんなキツいマッチメークを経験するボクサーは皆無です。

一応結果を出したロマチェンコに拍手を送りたい。

今後のキャリアプランにも興味がありますが、あまり一般受けするスタイルではないので、試合のエンタメ性よりレコード的な要素や名前のある相手とのマッチアップによる話題性で売っていくのでしょうかね?

 

相手も強かったですし、勝ったからそれで良いのですが、気になる点は3つ。

スタミナに不安がありそうなこと、

その割に無駄な動きが多くて余計なエネルギーを使っていること、

やや攻防分離傾向が見られること、

ジャブをあまり打たないのならボディワークを使えるようになるともっと効率的で攻防の連動したファイトスタイルにグレードアップできるのではないでしょうか。

それと鋭いカウンターが取れると(できるのでしょうがまだ見たことが無い)より魅力的になるんですけどね。

 

ラッセルはディフェンス力でややロマチェンコに劣った印象。

あとオフェンスのバリエーションでも。

得意の右フックが当たらないと空回り感を醸すスタイルですが地力はあるのでまた浮上してくるでしょう。

 

 

 

 

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