ショートレビュー ロマチェンコ- ウォータース

 

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Date: 2016-11-26

Where: Cosmopolitan of Las Vegas, Las Vegas, Nevada, USA

Division: super featherweight (130 lbs, 59.0 kg)

Title: WBO World super featherweight title

Result: Vasyl Lomachenko def. Nicholas Walters (Retirement at 3:00, round 7) 

 

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マッチアップ:★★★★

スリル:★★

スキル:★★★

印象度:★★

 

 

 7Rが終了した後レフェリーのトニー・ウィークスにウォータースが言ったそうだ。

「もう続けたくない」

そのシーンを見て思い出したのは36年前のデュラン-レナード第2戦。

8Rに突然試合を放棄したデュラン。

その時デュランが吐いた言葉、

「No Mas(もう嫌だ)」は途中棄権をシニカルに表現するネガティブ代名詞になっていて、

今だに海外のメディアはこれを使うよね。

きっとどっかの海外ボクシング関連サイトの見出しに使われているんだろうな。

そんなつまらない想像をしてしまったことはどうでも良いが、

試合自体はそれほどのワンサイドとも言えない。

それもね、なんかデュラン-レナードと同じ。

確かにウォータースはロマチェンコのテクニックに翻弄されてはいた。

パワフルではあるけど超正攻法な攻防に終始するウォータースはロマチェンコにとっては読みやすい、組しやすい相手だったのかも。

サリドのラフ戦法の洗礼を受けた後一段レベルが上がっているハイテクとフェザーウェイト時代の荒々しさ野性味が薄れた感のあるAxe Man。

それにしても白旗上げるのが早すぎ。

リング上の絵図らとしてはあれだな、「進撃の巨人

でかいけど動きの遅い巨人の周囲を兵士が敏捷に飛び回って隙を突いて刃で切り刻んでいくシーンがオーバーラップしたもの。

ロマチェンコのフットワークはオフェンスの位置取りとして機能しているのでブロッキングだけでは対応不能な様々なアングルからパンチが飛んでくるからやっかいだ。

サウスポーだけど半身にならずに正対しているからできることだけど、一歩間違えば危ないエリアを上手く出入りしている。

彼独特の戦術でbusyなアクションなので、スリルこそ乏しいけどそれなりに魅せてはくれる。

後は必殺カウンター的なものがあれば怖さが増すのだけど。

毎回同じ絵図ら、同じアクションだと飽きられちゃうから。