Saturday 11, May 2019
Convention Center, Tucson, Arizona, USA
Commission - Arizona Boxing & MMA Commission
Promoter - Top Rank - Bob Arum, Peltz Boxing Promotions, Inc. - J Russell Peltz
Matchmaker - Brad Goodman
Television - USA ESPN
Super Bantamweight Contest, 12 Rounds
マッチアップ:★★★
スリル:★★★
スキル:★★
印象度:★★★★
トップランクとしては軽いクラスのスター候補のドグボエにタイトルを取り返してもらうシナリオでダイレクトリマッチ組んだのだろうけど、うーん相手が悪かったかな。
ボクシング王国メキシコからはナバレッテのように無名でも地力のあるファイターが当たり前のように湧いてくる。
正に人材の宝庫だ。
短身で好戦的なドグボエのようなタイプはいくらパンチがあってもナバレッテを攻略するのは難しかったと思う。
つまり相性の問題で不利だったかなと。
それと身長差、リーチ差があってもジャブを放棄しちゃだめだ。
ナバレッテは右を被せてこないのだから尚更だ。
ジャブを突いて追わないと。
ナバレッテは右をフェイントにして左アッパーと左フックを当てたいのが戦術的に明白だったし、馬鹿の一つ覚えのように徹底されてドグボエは見事に嵌められていた。
左アッパー(やや横からの軌道だけど)がキーパンチになっていた。
ドグボエには足捌きとボディワークがほとんどないので逃げ道がないんだよ。
ガードだけではあの長い左フックとアッパーは防げない。
この手のディフェンスリアクションが悪い、言ってしまえば攻撃が防御タイプは劣勢の試合を逆転する術を見出しにくい。
終始ワンサイドだったのに最終回まで我慢したタフネスぐらいしか評価する点がなかった。残念ながら。
メキシカン対ガーナ人で思い出すクラシックファイトは、
サルバドル・サンチェス対アズマー・ネルソンの激闘だ。
サンチェスを大いに苦しめたネルソンだったが、当時は右フックを振り回すだけの荒削りなスタイルだった。
それでも地力があるからサンチェスとためで戦えてしまった。
残念ながらドグボエは母国の偉大な先輩には実力的に遠く及ばないようだ。
ちょっとね、体が小さ過ぎる。
馬力を最大限に生かすしかないスタイルなのだから、大柄なナバレッテのようなタイプはできれば避けたい。
体重苦がないのであればクラスを下げるかスタイルを変えるかしないと再飛躍は難しいのではないか。
で、ガーナ人スター候補を潰した(まあそういうことだろう)ナバレッテだが、
大柄な体格を利したスタイルであり、特に左の的中率が半端ない。
ドグボエ相手だからなのか、それともこれが通常運転なのかは今後数試合チェックすることで判断できるだろう。
コッジやブリーランドのような長いリーチと関節の柔らかさからくる独特のパンチのしなりを感じるというのが大まかな印象。
ハードヒッターっぽくないけど、実は倒し屋なのかもしれない。
キレを感じないためか圧倒的ではないが手数と圧力で相手を追い詰めていくタイプかな。
頻繁にスイッチして右でも左でもリードできる利点やバランスの良さを感じた。
今回はドグボエ中心に観戦したが、次はもっと彼にフォーカスして観てみたい。
もしかしたらリトルコバレフになれる素材だったりして。
足捌きとバランスがね、ちょい似ている。