アーロン・プライアー vs.アレクシス・アルゲリョ Ⅱ

f:id:duran3616:20131105150338j:plain

 

83年9月9日の試合。

82年の11月12日に行われた第1戦の方がクラシックファイトとしてファンの間では重要視されています。

この試合は、言ってしまえば「おまけ」的な扱いかもしれません。

 

第1戦はシーソーゲームでしたが第2戦はプライアーのややワンサイドの感がありますからね。

後になってみれば、アルゲリョにとってプライアーは相性が悪かったのかも。

プライアーのストロングポイントは戦術の柔軟性。

行くとこと引くとこの見極め、そして切替のタイミングが素晴らしい。

単純に手数が多いのですが、それだけでなくリズムのギアが一段アルゲリョと違うんです。

つまりアルゲリョがプライアーに勝てなかった理由は、プライヤー独特のオフェンスモードの強弱の柔軟な切替とリズムアップされたボクシングに対応できなかったから。

技術的にはプライアーのボディワークがディフェンスのキーになっていて、かつオフェンスとの連動性もあるので攻守両面でアドバンテージを保持出来たことが大きい。

 

明日予定されている八重樫-ゴンザレス、僕が八重樫に期待するのはこのプライアー的な戦術の柔軟な切替です。

劣勢を強いられて仕方なく戦術を変えるのではなく、もっとポジティブに流れを読んで相手を自分のペースにはめ込むつもりでね。

八重樫はガチガチのインファイトも速いフットワークを使ったスマートな出入りのボクシングも両方高いレベルでこなせる強みを持っています。

後は行くとこと引くとこのコントロール次第。

ローマン・ゴンザレスはハードヒッターで打ち合いに強いですが、オフェンスのリズムは決して速くありません。

鋭いカウンターを持っているわけでもない。

単純に打ち合うとアドバンテージはゴンザレスにあるでしょうから避けたいところ。

行く時はゴンザレスより速いリズムで手を出すこと。

ハンドスピードというよりコンビネーションのスピードでという意味でね。

パンチのつなぎの間を詰めるというか。

ブロッキングは大事ですけどそこに集中させられるようではダメです。

オフェンスのリズムで上回りアドバンテージを取れれば、逆にゴンザレスがブロッキングを意識させられるようになり自動的に攻撃力をダウンさせることが可能です。

もちろん言葉で言うのは簡単で実際にやるのでは難しいでしょうが。

でも戦略が確かで試合中もそれがブレずにいられれば実行性は十分あるのではないかと。

先に一発当てたいですね。あるいは序盤から速いリズムでかく乱できれば。

くどいようですが、単純な打ち合いだけは避けて欲しい。

 

Arron Pryor-BoxRec