週末恒例になりそうなオフの山行トレーニング。
先週末は静岡と山梨の県境エリアの低山縦走(梅ヶ島温泉スタート 安倍峠〜バラの段〜大光山)をしてきた。
以下データ。



まだ紅葉が終わっていなかったため山の連なる景色は全体的に良かった。
各山頂からの稜線上が風が強くて寒かったこと以外特別なネガはなく楽しめた。
今回、ヤマレコで他人様の山行データを参考にして(オヤジ失礼)若干アレンジを加えて山行計画を作った。
一般的には、
バラの段〜ワサビ沢ノ頭〜大笹ノ頭〜奥大光山〜大光山〜奥大光山
と周って(奥大光山〜大光山はピストン)下山し安倍の大滝から県道へ戻るようだ。
大光山から刈安峠〜十枚山まで南下してから下山するルートもあるが最後の県道歩きが長すぎるのがネガになりそう。
で、2パターンの間をとって大光山からの下山ルートを計画した。
下山って渓流釣りの時もそうだが、わくわく感がなく味気ないというか、つまらないといういうか、単なる帰路になりがちなのでそこを多少は楽しめるようにしたつもり。
それは結果的に当たりだったと思う。
大光山からの下山ルートは野趣溢れた変化に富んだものだったからだ。
急斜面をロープを使って降りる箇所などもあり、山岳渓流釣りの現場に似ていた。
山行ルートの多くは登山道としてある程度整備されているため実際の山岳渓流釣りのようなルートファインディングの必要性があまりない。
そのため観察してルートを見つけ出す醍醐味に欠ける。
まあ道迷いしたら大変なことになるので自治体の管理が及ぶことは仕方ないのだが、やや興を削がれることも確かだ。
山菜採りや渓流釣りは人工的なルートは山深くなればなるほどなくなるからね。
山行ルートはちょっと親切過ぎるのかも。
痩せ尾根などの危険な箇所にロープを張ったりしてくれるのはありがたいのだが。
今回のルートは特にロープを張っている箇所が多かった。
梅ヶ島温泉の駐車場に車を停めて出発した。
朝の人気のない温泉街を抜けて林道に入る。
途中で犬の散歩をしている温泉宿の女将さんぽい女性が元気な張りのある声で話しかけてくれた。
「行ってらっしゃい」
出発時に元気をもらったので下山したらこの女将さんの経営する温泉に寄りたいけど時間的に無理かな。
客商売とはいえ地元の人の愛想が良いと気分が良くなる。
でもきっと釣り師が相手だとこうはならない。
ハイカーとは違い釣り師は嫌われているのである。
まあ他人に平気で迷惑をかける輩が一定数いるからね。
評判が悪くなるのは自業自得なのだろう。
林道をしばらく登ると登山道の入り口がある。
先ずは安倍峠を目指す。
やがて林道に再度合流するエリアに出るのでその後は林道を落ち葉を踏みしめながら登る。
そのまま林道で安倍峠まで行けるのだが、あまりにもつまらないのでバリエーション的に横道にそれ、旧登山道を使って沢沿いを登ることにした。
こっちの方が遥かに面白いからね。
沢の左右岸を交互に渡りつつ遡行する。
流れはチョロチョロだから登山靴でも渡川可能だった。
人に驚いて魚が時々逃げるのだが魚種は不明(多分チビイワナだと思うが)
やがて安倍峠に到着。
スタートから1時間30分とほぼ予定通り。
急登はなかったが足はそれなりに使うので良いウォーミングアップになった。
ここからが本番です。
バラの段までのルートは急激に険しくなる。
急登も所々あり体力が削られる。
タイトな尾根を渡る際に横を見ると山々の連なりが気分を高揚させてくれる。
バラの段登頂が今回の山行のハイライトだったと思う。
ここだけ結構危険なので慎重に足を進めた。
渓魚釣りの堰堤高巻き的なスリルがあった。
高度は段違いだけどね。
怖くて下見れなかった。
今日は富士山がきっちりと視界に入った。
やっぱ富士山の景観はダントツに良い。
他が霞むというか。
低山帯の奥に鎮座している図が良いのだろうね。
控えめに言って最高です。
バラの段の頂は狭いのだが人は居ないし景色は良いし暫く眺めていました。
ついでに行動食のコンビニ芋羊羹を頬張った。
この時点で出発から2時間ほどだった。
奥に見えるのは南アルプスの山脈だろうか。
木とか妨げるものがほとんどないので視界はほぼ360度良好だった。
そしてこの場所はあまり寒くなかった。
その後稜線に出ると谷底から冷気が噴き上げきて急激に寒くなるのだが。
稜線上で見かけたカッコ良い立ち枯れの木その1。
出発から2時間40分でワサビ沢ノ頭登頂。
特に何があるわけではないので写真だけ撮ってスルー。
ワサビ沢ノ頭を後にして少し下りた場所に今日一の富士山眺望があったのでパチリ。
ちょうど木と木の間に良いフレームがあった。
稜線上で見かけたカッコ良い立ち枯れの木その2。
稜線を歩いていると時々視界が開けるエリアがありしばし和む。
山々の連なりが良い感じ。
写真では分かりづらいが所々紅葉が残っている。
それが良いアクセントになっているのだ。
奥大光山頂に到着。
スタートから3時間40分経過。
この場所で初めて登山者に出会った。
タバコを吸って休憩していたが、話しかけるなオーラが出ていたので挨拶だけにした。
それにしても人がいない山行ルートだ。
まあオバサンハイカーにはちょっと危険ではあるが。
そして出発から4時間、最終の頂である大光山に到着。
ほぼ予定通り。
後は下山工程なのだが、その前に昼飯食いたい。
ところがランチセット広げられる場所がない。
仕方なく暫く下っていく。
稜線が狭いため落ち着ける場所がないのだ。
景色は良かった。
やっと開けた良い場所に出たのだが、風が強くてめっちゃ寒い。
バーナーの火力にやや不安があることもありパスすることにした。
下から噴き上げてくる風に晒されると体感温度は0度である。
それくらい寒い。
雲の間から山々の間に薄陽が差す良い眺めだが、カメラ構える手が震えるほど寒い。
11月でこんな感じだと僕には冬場は登山無理かな。
極端な寒がりだからね。
それとアウターの性能の問題もありそうだ。
仮に12月以降も山行するのなら良いアウター買った方が良さそうだ。
ルートから少し外れた場所でなんとかランチ場所を見つけて休憩した。
出発から5時間経過時点。
後は下って帰るだけだから山行初場所の緊張感も薄らいでいた。
なんだかんだ知らない山道は様子が分からないため気を張るからね。
ランチが終わり片付けしていたら二人組が近づいてきて話しかけられた。
「どっちから来たの?どっちへ行くの?」
大体登山者のコミュニケーションはそんな感じでシンプルだ。
話が盛り上がることはないのだろう。
おしゃべりしに来たわけではないからね。
結局この日ルート上で会った登山者は3人だけだった。
連休でこれだから穴場かもね。
女性受けしないと登山客は多く来ないのかも。
それと二百名山とか付加価値がないとダメかしら?
人間をできるだけ視界に入れたくないぼっち山行を所望する向きにここはお勧めだ。
頂とルートの組み合わせにバリがあるし、また来て別ルートで縦走したいと思ったもの。
前2回の山行に比べると格段にハードで危険度も疲労度も倍のイメージだが、それでも渓魚釣りの時ほどの疲労感ではない。
山岳渓流釣りの体力的なキツさを再認識した次第。
来シーズンに向けてトレーニングしておかないと不安だよね。
大光山からの帰路下りルートはとても面白かった。
山行というより慣れ親しんだ渓魚釣りの遡行にイメージ的に近い。
実際沢沿いを下るからまるで渓魚釣りしているような感覚になったもの。
一応登山道らしきものはあるにはある。
ピンクテープも要所にだけ巻いてある。
沢沿いということもあり道迷いはしないが、崖が多いのでルートが所々寸断されている。
崖をロープで下りてまた登山道が復活するみたいな感じ。
沢を渡って逆に崖をロープで登る場所まである。
「おお!まるで渓流釣りじゃん。」
僕はすっかり喜んでしまったのでした。
良くあるガレ場に見えるが沢はちゃんと生きていて水が流れている。
この沢沿いを下るのだが当然簡単ではなく崖の上り下りが幾度もあるのである。
やがて林道に出て山行自体はここで終了する。
が、それで終わりではなく車に戻るまでの長い工程が残されている。
林道を下って行くと綺麗に舗装された県道へ突き当たる。
そして登り坂の県道を車を気にしながら(歩行者全く居ないため車が路側帯まではみ出して走行しているから)5km(約1時間)延々と歩いて梅ヶ島温泉の駐車場にたどり着いたのでした。


























