セルゲイ・コバロフ vs. ジャン・パスカル

 

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Date: 2015-03-14

Where: Bell Centre, Montreal, Canada

Division: light heavyweight (175 lbs, 79.4 kg)

Title: WBA, IBF and WBO World light heavyweight titles

Sergey Kovalev 26-0-1 (23 KO)

 vs

Jean Pascal 29-2-1 (17 KO)

Result:Sergey Kovalev def. Jean Pascal (TKO at 1:03, round 8) 

 

面白い試合でした。

好試合を演出したのはパスカルのがんばりと強気の姿勢です。

倒し屋の看板を掲げているコバロフに対してディフェンシブなアプローチをするかと思いきや真っ向勝負を挑んだことに拍手したい。

コバロフ攻略の糸口を垣間見せてくれたことを含めてグッジョブの評価です。

最後は地力の差が出てしまいましたが。

ストップのタイミングは妥当かもしれませんね。

結構効いていたし。

コバロフ最大の長所は長くて強いジャブです。

いいジャブを持っていてその効果的な使い方を心得ているのが彼の強みなんです。

強引にタグ付けするとトーマス・ハーンズ的なスタイルを持っていると思います。

ハーンズほどはスピードはないですが、ロングレンジでの強さ、決め手になる右があること、ここぞというときの上下に散らしつつ上手くパンチをまとめる所など共通した長所を持っていますよね。

ボディ中心の左フックの打ち方も似ていますね。

コバロフの良さもそれなりに出た試合でしたが、逆にウィークポイントも垣間見えました。

パスカルにボディを狙われて、露骨に嫌がってました。

効いていたかもしれません。

懐が深いのでボディにパンチを届けるのは容易ではなさそうですが。

それとですね、もしかしたらベタベタのファイタータイプが苦手かもしれません。

ガードを固めて上体を振りながらジャブをかい潜ってくるブルファイタータイプね。

ブランドン・リオスのような。

オフェンシブ所以の隙があるような気がします。

ロングレンジが好きなんでしょうが、徹底的に距離をとるわけではない。

それは自身オフェンシブだから。

打っていけば、踏み込んでいけば距離が自然と詰まるわけですから。

この試合、コバロフは結構パスカルのフック系のパンチを食ってました。

それはパスカルが打たれても踏ん張って反撃していたからです。

今までの対戦相手はコバロフに簡単に押し切られていて反撃の余地がなかった。

それは距離のマネジメントの上手いコバロフの戦略に対抗する武器を持ち得ていなかったから。

ステップインのスピードがありシャープな左フックを打てる馬力のあるファイタータイプとマッチアップしたときコバロフがどう対処するか見てみたいですね。

案外コロッと負けたりしてね。

 

 

 

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