ショートレビュー サーマン-ガルシア

 

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Date: 2017-03-04

Where: Barclays Center, New York, USA

Division: welterweight (147 lbs, 66.7 kg)

Title: WBC and WBA Super World welterweight titles  

 

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マッチアップ:★★★★

スリル:

スキル★★★

印象度:

 

ボクサーがラウンド終了後に戻るコーナーを間違えるシーンを度々見ている。

それは、酷く打たれてダメージで判断力を失っているからではない。

単純な勘違いという感じでもない。

当然お茶目でやっているのでない。

ボクシングは極めて高い集中力と緊張を強いる格闘競技だ。

時に恐怖感も。

インターバルを告げるゴングが鳴り、そこから解放されたボクサーの心理状態ってどんなだろう?

緊張と弛緩のギャップが大きいのは容易に想像がつく。

コーナーを間違えるという行動の原因はその辺にありそう。

11R終了後にガルシアはコーナーを間違えサーマンコーナーに行こうとした。

サーマンに、

「お前は、あっち」と示されて気づきUターンした。

ガルシアのようなビッグネームですらやらかすのを見てちょっと微笑ましかった。

が、この試合で一番印象に残ったシーンがそれというのもね。

ウェルターウェイトのタイトル統一戦(WBA-WBS)ということでシュガー・レイ・レナードを担ぎ出して前景気を煽ったのだが。

レナード-ハーンズはマッチアップの魅力で前評判が高かったからではなく試合が面白かったからクラシックファイトとして語り継がれているのである。

俗な表現になるが、プライドとプライドを賭けた両雄一歩も譲らないクロスファイトであり、攻防の密度や攻守の入れ替わりの激しさやそしてなによりエンタメ度の高さで抜きん出ていた。

レナードはこの激戦を制したことで本当の意味でのボクシングアイコンになった。

その代償として健康を失ったが。(眼疾を患い一時的にリタイヤに追い込まれた)

結果的にはレナードを呼ばない方が良かったかも。

興行のプロモーションとしてレナード-ハーンズをイメージさせたのは、オーバーダブだった。

明らかに。

試合内容、スケール感、両者のタレント、全てにおいて。

ギャラを貰っているであろうレナードは口が裂けてもそんなことは言えないだろうが、

僕のようなロートルファンを失望させるだけだから余計なことしなければ良かったのに。