
個人事業主の僕は平日と休日の区別はないのだけど、やはり取引先あっての仕事だから相手が休めば自然と業務が減る。
だから繁忙期を除けば週末は仕事をせずにレジャーを楽しめるのだが、休もうと思えば平日も普通に休める。
短時間ではあるがスズキ釣りなんてシーズン中はほぼ毎日釣行しているし。
ということでウィークデー渓流釣りに行ってきた。
比較的業務に余裕がある今の時期は週末ではなく平日に釣りするのも良いかなと思っている。
週末のホームは必ず釣り客が居るし、漁協組合員の僕が我先にと現場を独占するのは違う気がする。
そのため竿抜けばっかり狙う癖がついていることも何だか悲しい。
で、今シーズンは意識的にホーム以外のマイナーな(無放流)渓流への遠征を増やしている。
あまり釣れないだろう(ボウズのリスクも高い)とはわかっているが、初めての現場は新鮮でそれなりに楽しい。
入退渓場所や遡行ルートが無案内なため苦戦しがちだが無理しなければ事故ることはないだろう。
昨日釣行した渓流は孤立した場所にあり他の川へのアクセスが悪いからランガンできない。
漁協の存在しない無放流河川で規模は小さくネット情報もない。
こういう川への釣行は釣果を期待できないが、僕の目的は他にあるのだ。
渓を知り、環境をチェックする。
渓魚が減ってしまった理由を考え種苗の可能性を探る。
まあそんなことを考えている。
遊魚は娯楽産業なので釣り客がアクセスしやすいようハードルを下げてやらないと多くの人を呼び込めない(漁協の収入が増えない)
漁協の収入が増えないと放流事業にも影響が出てしまう。
僕はインターネットと釣りの融和性は低いと思っている(その理由については気が向いたら書く)つまり情報過多は釣り師に悪影響を及ぼすことが多いのだ。
自分で自分の首を絞めるということなのだが、その意味がわからない釣り師はこの趣味への没入度が低いのだろう。
情報を元に釣りするのは簡単だが、簡単というのは底が浅いと同義だからね。
程度は病の段階にもよるが、面倒くさいことをわざわざ好んでやるのが趣味なのだからインスタントを求めていると上っ面しか理解せずに終わってしまうのがオチだ。
難しいことは考えず(そういうのはストレス)気軽に楽しみたい向きには通じない理屈だろうが。

さて現場の話だが、結論から言うとまあまあの渓であった。
渓魚も居るには居た。
絶滅せずに自然産卵が行われ続けているのか、それとも有志が発眼卵放流などをしているのかは定かではない。
渓相が魅力的とは言い難いが、僕が求めている渓流に当てはまらないとは言えない。
川の規模自体は小さいが奥行きがそこそこある。
決して遊漁場としてスケール不足ではない。
中流域から源流までの高低差があり支流の流れ込みと湧水も多い。
つまり渇水期でもそれなりの水量を担保する。
ホームの各支流が水量不足でプアな環境に陥っているのとは対照的ですらあった。
ホームでは上流域にも出没するカワウは居ない。
上流域での農業利用はなく集落も皆無(山奥のため)それでいてアクセスは県道が沿って走っているため大変ではない。
アクセスというのは車で現場近くに行くという意味で、入退渓はそれなりに時間と労力を要す。
だから釣り師を呼び込みにくいと思われる。
わざわざ無放流のこの川に来て労力大の遡行を好んでする人はあまり居ないのでないか。
無券で釣りしたい人が来るかもだが。

中流域(里川然としている)に入渓したがしばらくは魚影なしだった。
岩がゴツゴツしだして渓流っぽい雰囲気になったエリアからポツポツ追いが見られるようになった。
そして掛かった10cmくらいの個体を最初に見た時は、
「アブラハヤ?」
顔を近づけて見るとアマゴであることがわかった。
が、中流域でこのサイズが釣れることに違和感を覚える。
追ってくる個体も皆このサイズだったからだ。
もしかしたら稚魚あるいは発眼卵放流(漁協はないから一般の人が)しているのもしれない。

中流域から上流域にかけては堰堤は少なく崖が低いため入退渓と遡行は大変ではない。
だからこのエリアに放流したのかもしれないがあくまで推測だ。

入渓後最初の堰堤を高巻きした後少しサイズアップした個体が掛かり始めた。
追ってくる個体も先ほどまでと明らかにサイズが変わってきているのがわかる。

何だろう、パーマークが薄いためかあまり野生味を感じないというか。
そんな印象の個体がポツポツ釣れる。
放流魚っぽいな。
警戒心も特に強くないし。
「稚魚放流かな?」

上流域になると急に堰堤が増えだす。
堰堤を高巻きするごとに魚影が薄くなっていく。
まあ良くあるパターンだ。

水量も流石に減ってきた。
それでも湧水が多くさしているので一定量はある。

堰堤下のみ水深がある感じで渓魚もそこに固まっている。
こういうのあまり好きくない。
狙われやすい(特に餌師に)エリアに固まっていると遊魚資源が枯渇しやすいからだ。
ルアーの場合、流れを読む醍醐味が薄れ釣りが単調になることもあり飽きてしまう。
釣り味も渓流釣りの場合大事だと思っているから。

堰堤をいくつか高巻きし上流部から源流部へ差し掛かると追いが極端に減り、代わりにサイズが少し良くなった。
上写真の個体は7寸でこのくらいがアベレージという感じだ。
ただ野生味が薄いのは同様だね。
ネイティブな感じはしなかった。
良型が潜んでいる雰囲気や実際の追いは無かった。

上流部からは堰堤がくどいほど続けてある。
こんな感じの崖を何度も登らなければならず体力勝負になってくる。
落ち葉が多いためフェルト底のシューズでは滑るからツラい。
この渓ではゴム底か足袋の方が使い勝手が良いだろう。

あまり大石ゴロゴロな渓相ではないし川底の苔量も多くないのでフェルト底でなくても遡行に不安はないだろう。
次来るときがあったらサワートレッキング用のシューズにしようと思う。

源流部に近づくにつれ魚影は無くなった。
ゼロである。
堰堤が多いなと感じ始めてからは魚影を見なくなった。
それでも遡行を続けた。
探索釣行だからね。

こんな感じの堰堤が50m間隔であるのだが高巻きがかなり面倒い。
だいたい堰堤のある場所というのは入渓しやすいもんだが、
「どうやってここに堰堤作った?」
と思うほど遥か崖下に位置しているため崖の上り下りが半端ない。
上り下りのルートがないので安全度を測りつつ自分で足場を見極めて登っていかなければならない。

上流域からは、釣りしている時間より山登り(下り)している時間の方が遥かに長かった。
早朝に現場入りして釣り開始し、
ランチを挟んで15時ごろに終了した。
魚影が確認できなくなって1時間以上経っていた。
もう十分だろうと思って退渓したのだが、山奥まで来ていたため車道まで出るのに山登り(崖登りと稜線歩き)を小一時間しなければならなかった。
疲労で足が限界に達していたようで、
帰宅ドライブで峠道を走っていた際クラッチを切った左足が攣ってしまった。
運転中に足が攣ったのは初めての経験だった。
とにかく疲れる釣行でした。
ただ前述の思惑には当てはまりそうな川ではあったので釣果度外視で満足感は得られた。