バランスの消失

自転車のホイールバランスをとる大事さを訴求する動画なのですが、
分野違いの釣りのプラグのアクション理論にも当て嵌まるかなと思いました。
プラグのアクションには横振れのウォブリングや
捻りを繰り返すローリングなどがありますが、基本、規則的で機械的な運動です。
水流抵抗によるバランスの崩しと立て直しを連続的に行うことで
プラグがアクションするのですが抵抗の変化でアクションが派手になったり
地味におさまったりこそすれ対称運動に変化はなく安定感を生んでしまいます。
「安定感を生んでしまう」とデメリット的な表現をしたのは、
結局不自然さが際立ってしまうからなのです。


プラグで魚を騙す根本要素は不自然さなので完全否定はしないのですが
際立ってしまうとバレてしまうんですね。
スレるってやつです。
ダーター(スリップベイト)が釣りやすいのは、ランダムなバランスの崩し、
不安定さを集魚要素にしているからでしょ。
リップレスにすることで水掴みを悪くしてオフバランスを意図的に創出しているわけです。

もうひとつオフバランスを創出する仕組みがあります。
ウェイトボールです。

  • 工業精度的に出来の悪い(あるいはガチャガチャとルーズな動作をする)

 重心移動システムのプラグ。

  • タックルハウスのRユニットのようなボディの中で横方向に動くシステム。

前者の例としては初代のプラ製のビリケンやアンリパのスプラッシャーや
ザ・ファーストなどがあります。
後者の例としてはブリットやバジェット(deps)があります。
どのプラグも独特の集魚力を持ったプラグです。
ウェイトがジャラジャラするプラグを嫌うアングラーもいますが、
音で魚がナーバスになることなんて僕は経験したことがありません。

強引に例えればカチッと精密なプラグはバランスをとったホイールであり、
ジャイロ効果により安定しています。
例に出したプラグ達はバランスの狂ったホイールで不規則な横ブレが入る状態です。

「正確性、規則的」 → 単調 → 「スレやすい、無関心」

「オフバランス、不規則性、不安定」 → 「注目度アップ、捕食スイッチON」

やや単純なロジックですがこんな感じでしょうか。

ダーターとの違いは何か?
それは不安定さの度合いでしょうか。
バランスの崩し方が少ないということです。

最近、僕はダーターをほとんど使いません。
目に見えて大きな(大袈裟な)ダートは要らないと思っているからです。
変化の少ない地味めなダートがより効果的だと実釣を通して確信しているからです。
これは一般論というよりは自分のフィールド、
自分の釣りのスタイルだから当て嵌まる事なのかもしれませんが。