人生の特等席


クリント・イーストウッドが「グラン・トリノ」以来4年ぶりに主演を務める感動ドラマ。キャリア最後のスカウトの旅へと出たメジャーリーグの老スカウトマンとそのサポートに押しかけた一人娘が、旅を続ける中で少しずつ互いのわだかまりと向き合い、親子の絆を再確認していく姿をしみじみとした筆致で描き出す。共演はエイミー・アダムスジャスティン・ティンバーレイクジョン・グッドマン。監督は長年イーストウッド作品に製作や助監督として携わり、本作で記念すべき長編監督デビューを飾ったロバート・ロレンツ
 数々の名選手を発掘してきたメジャーリーグの伝説的スカウトマン、ガス・ロベル。しかし近年はパソコンを使ったデータ分析が主流で、ガスのような昔気質のスカウトマンはすっかり時代遅れに。視力も衰え、残り3ヵ月となった球団との契約も延長は望み薄。そんな中、ドラフトの目玉選手のスカウティングに向かったガスのもとに、弁護士としてキャリアの大事な時期を迎えていた一人娘のミッキーがやって来る。すっかり疎遠になっていた2人は、久々の再会も互いに素直になれずにギクシャクしたまま。そんな2人の前に、かつてガスに見出され、引退した現在では新米スカウトマンとして再出発を図るジョニーが姿を現わすが…。

映画 人生の特等席 - allcinema


月一映画館デーに「人生の特等席」をチョイスして観てきました。
金曜の夕方の回で観客は4人。
セイバーメトリクスよろしくパソコンによるデータ分析で選手評価をするのが常識化する中、オールドスタイルの視察中心のスカウト業務を全うしているメジャーリーグの老スカウトマン(クリント・イーストウッド)とその娘(エイミー・アダムス)の親子関係にフォーカスしたロードムービー
ベタベタの親子関係修復ストーリーなのですが、偏屈じいさん役をやらせたらピカイチのイーストウッドと仕事人間でありながらキャリアより父親との関係修復が大事だと思っている優しい娘を好演しているアダムスのコンビが面白く、わかりやすいストーリーも手伝って気楽に楽しむことが出来ました。
同じメジャーリーグベースボールを扱った「マネーボール」も面白かったですが、その中で徹底的に否定されていた職人気質なスカウトの勘や目利きによる選手発掘手法をこの映画では逆に肯定しているのですが、ドラフト指名候補のパワーヒッターが実はカーブが打てないという特徴を見極める要因になっているのが面白いです。
五感で感じるという部分にそれなりの説得力がありましたね。
父親と娘の間の溝は、娘が6歳の時に母親が亡くなり、その後父親は娘を親戚に預けたり施設に入れたりしてほったらかしにしてしまったことが原因なのですが、実はそうせざるをえない事件がらみの理由が存在した...
最後は気恥ずかしくなるようなハッピーエンドですがクリント・イーストウッドの場合、素直に受け入れることができるんですよね。


妻の墓石の前でイーストウッドが歌う「You are my Sunshine」が印象的でした。
別のシーンでアダムスにも歌わせますので、要はこの二人、根っこは同じ似たもの親子だということの象徴で使われたのかな。