エリスランディ・ララ vs.アルフレド・アングロ


Date: 2013-06-08
Where: Home Depot Center, Carson, California, USA
Division: light middleweight (154 lbs, 69.9 kg)
Title: interim WBA World light middleweight title
Erislandy Lara (17-1-2, 11 KO)
  vs
Alfredo ‘Perro’ Angulo (22-2-0, 18 KO)
Result:Erislandy Lara def. Alfredo Angulo (TKO at 1:50, round 10)


サウスポーが左アッパーを無造作に打つリスクが顕著な試合。
サウスポーのボクサータイプ、エリスランディ・ララと
パンチのあるブルファイター、アルフレド・アングロのマッチアップ。
実力者のララが2度ダウンを喫し大苦戦しています。
注目すべきは最初のダウン。
徐々にアングロのプレッシャーを持て余しつつある中で、
インファイトを嫌ったララが牽制の意味を感じる左アッパーを強振した時
アングロの左フックをモロに食ってダウンします。
そう、サウスポーのガードの空いた左サイドでなく、
右サイドに左フックを合わされているんです。
これは左アッパーを強く振ろうとすると顔面の位置が相手の左フックの軌道上に入ってしまうから。
しかもララの場合この時右のガードが下がってしまっています。
左フックをシャープに振り抜かれればアウトですよ。
写真ではララの左アッパーが見事に決まってますけど、
この写真を使ったのは単なる皮肉です。
というか諸刃の剣なんですね。左アッパー。
致命的なダメージを受けずに済みましたけど
もう少し顎の先端をかすめるような打ち抜かれ方していたら、
逝ってましたよ。
結局、ジャブとストレートで突き放せなかったことが
根本的な原因でしょう。
自分の距離を保って、アドバンテージを維持しながらの状態なら
踏み込んで打つ左アッパーは効果的。
相手にアドバンテージを渡した状態で苦し紛れに打つ左アッパーは
リスクが高いぞと。
優れたサウスポーはその辺のマネジメントが上手なんです。
マービン・ハグラーとか。
ムスタファ・ハムショ戦など良い教科書ですよ。