遅ればせながら

試合からずいぶん時間が経ちましたが、パッキャオvsマルケス3を観戦した感想を簡潔に。議論されつくしている試合なので後出しじゃんけん的で多少気が引けるのですけど。
試合結果に関しては、オフィシャルジャッジにクレームを述べる気はなく、引き分けあるいはパッキャオの僅差勝利が妥当な内容だったと思っています。
マルケスがディフェンシブであったとは思いませんが、試合を作っていたのはどちらかというとパッキャオでしたからね。「マルチネスvsウイリアムス1」と比較すると納得できます。より戦略的に戦い、より効果的なパンチを試合を通して決めていたマルチネスにきびしいジャッジが下されたのも、結局アグレッシブさ(ただ前に出るだけとかむやみに手数を出すとかそういう単純なものではなく主導権を握ろうという意欲、よりオフェンス重視の姿勢とか抽象的ですがそういうもの)が足りなかったわけです。ですから同じ鉄を踏むまいとマルチネスは第2戦で初回からアタックをかけてオフェンシブな姿勢を前面に出していました。


今回、パッキャオはマルケスに露骨にカウンターを狙われて苦戦しましたが、原因はそれだけではないような気がします。
この試合のパックマンは戦略が曖昧で、いつものようにアグレッシブで手数は多かったですけど、対マルケスとしての準備に抜かりはないとは思えない試合ぶりだったように思います。フィジカルで大きく上回るだろう、スピードで圧倒できるだろうという自信が仇になったのかなと。
カウンターが得意でディフェンスが良く攻略しにくいボクサーであるはずなのに、ましてすでに2試合もフルラウンド戦っていてパッキャオに慣れているわけですから、やはりマルケス用の武器を準備しておくべきだったように思います。メイウェザーのジャブに苦しんだマルケスを観ていなかったのでしょうか。
マービン・ハグラーレベルとは言わないですが、サウスポーの速くて執拗なジャブがあればもっと試合をコントロールできたのではないでしょうか。
たとえ倒せなくても大差の付くスコアは得られたでしょう。
まあ結局、チームワークが以前ほど強固ではないのでしょう。戦略家ローチがやや機能していない感じがします。パッキャオは国家議員でもありますからボクシングに全身全霊を傾けているわけではないでしょう。以前のようにローチの指導に真摯に耳を傾けているかどうか疑問です。パッキャオのステイタスは上がりすぎてしまった。
マルケス戦は、単にスケジュールをこなすという感覚だったのでは?マッチメークの難しさは理解できるのですけどね。