ジェイク・ラモッタの訃報を報じる記事を見ました。
95歳。
大往生でしょう。
ロビンソン世代のライバル筆頭格と言える存在だった。
ロビンソンと6戦もしているわけだから。
1勝5敗だがいずれも激戦。
ロビンソンにプロアマ通じて初黒星を与えたことが勲章になっている。
ニューヨークブロンクスの貧困層出身の悪ガキ→ストリートファイト→ボクシングに出会い更生→マフィア絡みの八百長ファイトでサスペンド→世界タイトル獲得→引退後ショービス界で人気→少女売春斡旋で逮捕と、
まあ映画にしてくれと宣伝しているようなドラマチックな人生を送った愛すべき悪漢。
ボクサーとしては古典的なファイタータイプだが、タフネスが尋常ではない。
ディフェンスが上手いとは言わないが、中間距離ではヘッドスリップ、ダッキング、スウェーバックで相手のオフェンスを躱している。
ブロッキングはしない。
両手はパンチを打つためにあるというタイプ。
パンチの見切りはそれなりに良く、格下相手にはあまり打たれなかったのだろう。
ロビンソンにボコられているイメージが強烈なんで、その部分は切り取って評価するべきかもしれない。
何故か評価の高いカーメン・バシリオよりファイタータイプとしての完成度は高いと思う。
先日試合を観たばかりのためかゴロフキンとちょっと似ているような。
プレッシャーのかけ方とか左フックを振るタイミングとアングルとか。
故人を美化するつもりはないが、当時としては優れたファイターだったと記憶しておきたい。
マイク・タイソンとテレビ共演。
仲良く隣同士座っているように見えるが二人の絡みはほとんどない。
成り上がりの典型かつ独立国家意識の高いボクサーは同種同士馴れ合わない。
「オレは俺、アイツは彼奴」なのだ。
しかもこの二人だ。
楽しく会話なんかするわけない。
リスペクトするのは自分のアイドルだけ。
タイソンのアイドルは確かデュランだったと思ったが。